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集合住宅の増加により、最近ではあまり見ることが少なくなってきたのが「屋根瓦」ではないでしょうか。
近頃では、瓦のある家に住んだことがないという人も多いように思います。
しかし、瓦は今でも多くの建物で使われ続けていることはご存知でしょうか?
一般的に瓦というと昔ながらの一枚一枚が独立したものを想像しがちですがそうではありません。
実は屋根の上に敷く屋根材は全て瓦と呼ばれています。
つまり、一見瓦が使われているようには見えない洋風の建物や集合住宅にも、瓦は使用されているんです。
今回は、よく使われる瓦の種類と、建物ごとに合った瓦を紹介します。
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屋根瓦の種類
屋根瓦というとどういったものをイメージしますか?
一般的には粘土瓦やセメント瓦など、いかにも瓦っぽいものをイメージするかもしれません。
しかし、後ほど紹介する金属瓦やストレート瓦など、見ただけでは屋根瓦とは分からないようなものも多く使われています。
ここでは、屋根瓦を大きく5つに分けて紹介します。順番に見ていきましょう
粘土瓦
粘土瓦とは、粘土質の土を成型し乾燥した後、1000度以上の高温で焼いた屋根材です。
陶器製なので、耐久性が高くメンテナンスも少なく済みます。
しかし、粘土は重量があるので耐震性の面では他の瓦に比べて劣ります。
その種類は豊富で、釉薬をかけて焼き上げた「釉薬瓦」や表面に独特の色合いを出した「いぶし瓦」。
陶器の自然な風合いを残した「無釉瓦」などがあります。
セメント瓦
セメント瓦とは、セメントの製造過程で砂や砂利を入れて瓦形に成型したものです。
粘土瓦と同じように、セメント自体に重量があるので耐震性は他の瓦に比べて劣ります。
また、セメントは耐水性が低く、塗装などで水への対策をしておく必要がある上、ひび割れが発生することも多いので、最近ではセメント瓦が使用されることはあまりありません。
金属瓦
一般的な屋根瓦の形ではなく、屋根全体に敷き詰めるようにして設置する金属でできた屋根の素材です。
素材が金属なので、耐火性に優れ経年劣化しにくいというメリットを持っています。
しかし、海沿いなど空気中の塩素が高い地域では錆びやすく、熱を通しやすいので耐熱性に劣るというデメリットも持っています。
ただし以前はトタンでできたものが主流でしたが、近年ではガルバリウム銅版でできたものが主流になり、それまでの錆びやすいというデメリットが必ずしも当てはまらないようになっています。
加工しやすいのでデザイン性が高く種類も豊富です。
スレレート瓦
ストレート瓦には天然のものと加工されたものがあります。
天然のものはとても高価で加工も難しいので、一般にはセメントと繊維を混ぜて作った加工素材が使われています。
厚さが5ミリ程度と薄いので運搬がしやすく、耐震性も高いです。
施工も非常に簡単なので安価ながらデザイン性が優れているという特徴を持っています。
シングル瓦
アメリカでよく使われている屋根素材ですが、日本ではまだそれほど普及はしていません。
アスファルトシングルという素材でできており、カッターナイフで切ることができるくらい薄いのが特徴です。
さらに他の屋根瓦に比べて非常に軽いので屋根にかかる負担は少なく耐震性に優れています。
施工は釘と接着剤で貼るだけなので簡単。
その反面、経験劣化しやすいというデメリットを持っています。
屋根に直接貼り付けるので、劣化したときは、その上にもう一度別のシングル瓦を重ねて補修します。
どのような瓦を選ぶのか?
ここまでで瓦にも様々な種類があることが分かっていただけたと思います。
次に、建物ごとにどういった瓦が合うのか見ていきましょう。
和風の建物
日本的な和風の建物には粘土瓦がよく似合います。
粘土瓦は別名「和瓦」とも呼ばれ古くから日本の建造物に多く使われてきました。
特に愛知県西三河の三州瓦、島根県石見の石州瓦、兵庫県淡路島の淡路瓦は人気の高い瓦で、その地域を中心に多く使われています。
洋風の建物
近頃多く見かける洋風な建物には、金属瓦やストレート瓦が使われています。
これらは従来から日本人が想像するような独立した瓦ではなく、屋根全体に敷き詰めるように設置するもので建物の外観に合わせて加工がしやすいので人気です。
また、上記の粘土瓦も必ずしも和風にしか使われないということはなく、加工方法により洋風の建物でも多く使われています。
集合住宅
マンションやアパートなどの集合住宅は瓦がイメージしにくいかもしれませんが、屋上周辺や階層ごとの仕切りに瓦が使われています。
しかし、屋根全体に瓦を敷き詰めるという用途ではなく、建物の一部に装飾として使用されることが多いように思います。
そのため、少ない面積でも設置しやすいストレート瓦やシングル瓦が多く使われています。
一般的な瓦と建物ごとに合う瓦を見てきました。
「屋根瓦」は建物の上など、目線よりも高い場所に設置され散るため、町を歩いていても目が行くようなことは少ないかもしれません。
しかし注意して見てみると建物ごとに特色が表現されていることが分かります。
機会があれば、一度ゆっくり眺めてみてはいかがでしょうか。
地震に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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