熱線吸収ガラスとは?他のガラスとの違いや熱割れの危険まで解説

住宅建築用語集

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熱線吸収ガラスというものをご存じでしょうか?

熱線吸収ガラスとは、熱を吸収することで暑さなどをカットしてくれるガラスのことです。

デザイン性も高いので住宅に用いられることもあります。

この記事では、熱線吸収ガラスの特徴、メリット・デメリット、他のガラスとの違いなどに焦点を当てて解説したいと思います。

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熱線吸収ガラスとは

家の「省エネ化」が進む昨今、家の内部と外部の“熱交換”が多く行われる窓ガラスも進歩しています。

夏の暑さを遮るためのひとつの手段として、窓ガラスを熱線吸収板ガラスにするという方法があります。

熱線吸収ガラスは、ガラスの原料内に少し金属成分を混ぜ、熱をガラス自体に吸収させるものです。

どんな場所で使われている?

デザイン性の高い住宅、オフィス、高層建築、高級車や窓面瀬の大きい車によく用いられています。

また、色が入ることからインテリアとして用いられることもあります。

熱線吸収ガラスは厚みが増すほど色が濃くなる

熱線吸収ガラスは、ガラスに混ぜ込む金属に熱を吸収させることで室内の温度をできるだけ変化させないよう工夫したものです。

金属を混ぜますので、完全な無色透明ではなく、少しながら色が入ります。

混ぜる金属により色合いは異なり、薄緑、グレー、薄茶色などに分かれます。

建物の印象に合わせて色選びができるというメリットもあります。

そして、ガラスの厚みが増えれば増えるほど、色が濃くなります。

熱線吸収ガラスのメリット&デメリット

熱線吸収ガラスのメリットとデメリットはどんな所でしょうか。

熱線吸収ガラスのメリット

熱線吸収ガラスは、その名の通り熱を吸収してくれます。

日射であれば30%~40%程度吸収してくれるので、夏の暑さを和らげ冷房効率を高めてくれます。

さらに直射日光を40%ほど遮ることができますので、眩しすぎない室内をつくることができます。

熱線吸収ガラスが高層ビルやマンションで多く使われているのは、このためです。

熱線吸収ガラスのデメリット

熱線吸収ガラスはガラス内に熱を抱え込んでしまいますので、場合によっては「熱割れ」を引き起こしてしまうこともあります。

熱を蓄えたガラスに直接エアコンからの冷気が触れると割れてしまう、といったケースがあるのです。

間取りや設備の位置をきちんと検討しなければならない、というのが熱線吸収ガラスの唯一のデメリットといえるのではないでしょうか。

また、このような理由から熱線吸収ガラスに遮熱フィルムを貼ることもおすすめできません。

ただでさえ熱を吸収しているガラスに、さらに熱の吸収を促進させるようなフィルムを貼ると、さらに熱割れを引き起こす可能性が高まってしまいます。

網入りのガラスも遮熱フィルムを貼ると熱割れを起こしやすいと言われていますが、熱線吸収ガラスでも同様のことが言えます。

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熱線反射ガラスやLow-eガラスとの違い

ガラスにも色々と種類がありますが、その中でも熱線反射ガラスとLow-eペアガラスとの違いは何でしょうか?

見てみましょう。

熱線反射ガラスとの違い

熱線吸収ガラスと似たものに、熱線反射ガラスがあります。

熱線反射ガラスは、ガラスの表面に金属を焼付けし太陽の光を跳ね返すガラスです。

熱線反射ガラスも熱線吸収ガラスと同様、太陽光が直接室内に入り込むのを回避しますので、エコロジーなガラスといえるでしょう。

熱線反射ガラスの表面は金属膜で覆われていますので、「マジックミラー」に似た効果が得られ、室内のプライバシーを守る役目も果たしてくれます。

しかし、熱線反射ガラスにもデメリットがあります。

「日中、他の建物に光を当ててしまう」「朝日や夕日など特定の時間帯に、思わぬ場所に光を届けてしまう」といったことがありますので、熱線反射ガラス採用時には太陽の動きや他の建物との関係性をじっくり考慮しなければなりません。

太陽光発電パネルの反射光が問題となることもご存じの通りです。

ご近所問題を引き起こさないよう、注意深く窓ガラス選びをすることはとても重要です。

Low-eガラスとの違い

近年、住宅建築で多く用いられるようになったLow-eガラス。

Low-eガラスとは、ガラスの表面にLow-e膜と呼ばれる特殊な金属膜をコーティングすることで、太陽の熱や室内の熱を反射させてくれるガラスのことです。

住宅で用いられる多くのLow-eガラスは「Low-e複層ガラス」として知られ、2枚のLow-eガラスの間に「中空層」を挟むことで、より断熱性を高めることができます。

Low-eガラスは、太陽熱の中でも「放射熱」と呼ばれる熱を反射するという点が熱線吸収ガラスと異なる点です。

この放射熱は直射日光とは異なり、赤外線によって運ばれる熱のことです。

そのため太陽光の暖かい熱だけでなく、室内の暖かい熱も反射することで部屋の暖かい空気が外に漏れるのも防いでくれます。

Low-e複層ガラスでは2枚のLow-eガラスが合わさってできていますが、どの面にLow-e膜のコーティングを施しているかで「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」に分けられます。

遮熱タイプは夏場の直射日光が厳しい部屋に向いていて、断熱タイプは冬場の暖かさを確保したい場合におすすめです。

まとめ

熱線吸収ガラスは、夏の暑さを遮るガラスとして高い効果を発揮してくれる素材です。

また、無色透明ではなくカラーが少し入っていることで意匠性を高めてくれるという効果も期待できます。

一般的なガラスと比較すると価格は高めになるので、住宅に用いる際には用途と採用する場所をよく考えて設計する必要があります。

 

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