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一般的な集合住宅(アパートやマンション)は、既に決められた間取りや設備(仕様)を気に入って入居するものです。一方、先に計画を立ち上げ、その考え方に沿った集合住宅を作るという方法もあります。それが「コーポラティブハウス」です。
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入居希望者が集まることが先
入居希望者が集まり、土地を取得し、設計者、建築業者に至るまですべて「自分たち主体」で建てる集合住宅は、日本でも増え始めています。そもそもは、18世紀のスコットランドの労働者からなる協同組合が、住宅や幼稚園の運営など、自分たちの暮らしを守るためにこのコーポラティブを試みたといわれています。
日本では「2度目の波」
1921年に制定された「住宅組合法」により、日本でのコーポラティブハウスへの道が開かれた歴史がありますが、ほとんど機能せず、一戸建て住宅が主流となりました。ですが、1958年には財団法人日本労働者住宅協会が設立され、それを追うように民間プロデュース会社も出現。都市圏でコーポラティブハウスが建築されるようになりました。
コーポラティブハウスのメリット
入居希望者の集まりである組合ありきでスタートするプロジェクトは、実際に住まい始めてからの“コミュニティ力”が強いといわれます。実際に集合住宅が建つまでに、建築家など業者の選定、目指すべき集合住宅像の共有といった作業を既に行っている既知の関係だからです。
また、分譲マンションにありがちな売れ残りリスクがほとんどないため、分譲価格への上乗せ金額が削減できることからかなりのコスト削減ができます。宣伝広告費が必要でない分、ほぼ原価で部屋を手にすることができるのです。
また、将来持ち上がる大規模修繕の際にも、「私たちの家」という心理から、スムーズな話し合いができるといいます。何かあったときにも、既知の隣人の存在はありがたいもの。お互いに寄り添いながら暮らすという安心感を求める人が、コーポラティブハウスを希望するのです。
一方で、デメリットは?
組合を立ち上げてから、実際の入居まで2~3年を要するところは、分譲マンションと大きく異なるところでしょう。戸建て住宅とは異なり、入居希望者全員がある程度納得できる外観・占有面積・内装の決定までに会合を重ねる必要があるからです。実質的に、出資額の多い人の意見が通りやすいといった面も持ち合わせます。
また、かなり特徴のある建物となる傾向があるため、何らかの理由で手放さなくてはならなくなったとき、査定価格が低くなりがちであることもデメリットのひとつに挙げられます。
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