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まちなみが用途に応じて整然と整備されているのは、都市計画法によるものです。特に実感できるのが、工業地帯が住居の並ぶエリアとは隔絶されていることです。このようなエリアは「工業専用地域」と呼ばれ、住まいを建てることを禁止されています。
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基本的に「住まい」は建てられない場所
工業専用地域には、基本的に人が住まう建物は建築できません。工業専用地域が何のために設けられているのかの理由を見ればその意味がすぐに分かります。
都市計画法の９条では「工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とする」とされています。文字通り工場専用エリアとして定められていますので、人の寝起きする施設を含む住宅を建てることはできません。
大規模な工場が密集している海岸沿いの工業地帯や大型倉庫を思い描いて頂けば、その理由はすぐにお解り頂けるはずです。効率の良い作業の場所を確保するために、また、健康的な住環境を保つエリアを侵さないために、明確に区分されているのです。
工業専用地域に建てることができるもの
工業専用地域、といっても、工場しか建ててはならないという訳ではありません。運動施設や巡査派出所、郵便局、神社、寺院、診療所、保育所等、自動車教習所、自治体の支部、保健所、消防署等は建築可能です。
これらに共通しているのは、「人が寝起きする施設・住宅ではない」ということです。工業専用地域の目的は工業の利便性追求ではありますが、快適な住環境には適していないとも言えるのです。
都市計画法は、「都市の健全な発展等を目的とする法律」
車やバス、電車で都市部から１時間も離れると、緩やかに住宅地へと変化してゆく様を見ることができます。これは、健全なまちを維持するため、都市計画法により土地の用途が定められているからです。
この都市計画法は、建築基準法と密接な関係をもっており、エリアごとの特性に合わせた建物を計画することを求めます。もしもこのルールがなければ、まちなみが乱雑になるだけでなく、健康的な暮らしを望むことができないのは明白です。
大規模な工場のそばで暮らしたいと願う人は誰もいません。騒音、空気の汚れ、ニオイ…。まちが都市計画法により適正にコントロールされてこそ、安心して住まう土地を手に入れることができるのです。
定められた用途地域により、建蔽（ぺい）率や容積率で悩まされることもありますが、これもまた健全なまちづくりには欠かせないものです。「このエリアに住みたい」と希望する場合、どこかでそぎ落とさなければならないものが出てくるのも致し方なし、と割り切らなければなりません。
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