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自然界は美しい物であふれています。これらを研究して導き出されたのが「黄金比」です。この黄金比は建築の世界にも応用されており、見た目にもバランスよく落ち着いて見えるものです。日本では薬師寺の塔、畳にも見られると言われています。
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美しさの基本は「1対1.6」
建物の正面に立ち眺めた時に「美しい」と感じさせる建物は、幅と高さが1対1.6の割合であると言われます。古くはクフ王のピラミッド、パルテノン神殿やパリの凱旋門、日本では唐招提寺金堂といった誰でも知っている建物がこの黄金比率で建てられています。
この1対1.6を意識した建物の外観は安定感と重厚さを感じさせます。
ムダな装飾をそぎ落とした近代建築の礎を築き、建築物のみならず家具にも著名な作品を多く残したル・コルビジェもこの黄金比にこだわったと言われます。
私たち日本人の身近なところでは、畳があります。1対2と数値上は若干外れているようにも思えますが、組み合わせ方次第で日本家屋のどんな広さにも対応できる機能美があります。これには外国人も驚くのだとか。
ビジネスシーンにも黄金比であふれている
建築の世界だけでなく、私たちが日頃触れるものの中にも黄金比を多く見ることができます。例えば名刺やA4サイズのプリント用紙、そして(ワイドではない)ごく一般的なパソコンのモニター―これらも黄金比に近い比率です。
気付けば黄金比に囲まれて生きている私たちは、それが当たり前だから安心感を得るのでしょうか。それともやはりその比率こそが安心感を与えてくれるのでしょうか。どちらが先にせよ、黄金比を追い求めつづけたル・コルビジェは「整った形状は感覚的に人間をひきつける」と語ったそうです。
シンプルな建物こそ黄金比が大切
感覚的に「美しい」と思える比率がこの1対1.6なのであれば、外観がシンプルな家こそこの黄金比を取り入れると見た目にも安定感・安心感を与えるものとなります。作品集をじっくり見てください。シンプルで、なおかつ機能的に感じられる外観の家のほとんどが、この黄金比率に則っているはずです。
インテリアの配置もこの黄金比を意識するとよいでしょう。寝室など比較的家具が少なくて済む居室も、1対1.6に近い長方形の空きスペースを作ると落ち着く空間となると言われます。背の高い観葉植物や絵を飾る時にも、この1対1.6を意識するとよいでしょう。
ゴテゴテと飾り立てないシンプルな暮らし方を希望する方に覚えておいて頂きたいのが「黄金比」です。
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