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近年、高い断熱性能に注目が集まっているのが樹脂サッシです。ペアガラスやトリプルガラスなども断熱性能に一役かってくれますが、それを“包み込む”サッシ部分が金属であれば、熱伝導率が高くなり、室内の温度が外部に放出されてしまうからです。
その点、樹脂ならば熱の出入りの問題は低く抑えられます。
今回は、今注目の樹脂サッシを取り扱うメーカーをご紹介いたします。
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なぜ、今「樹脂サッシ」が注目されているのか
日本の家づくりは、古来より「夏をもって旨とすべし」とされていました。高温多湿である日本において、夏をより快適に過ごせる家がよし、と考えられていたのです。
とはいえ、狭い日本であっても、豪雪地帯から南日本気候と呼ばれる暖かなエリアまで“幅”があります。昭和40年代、寒さ厳しい北海道で「いかに暖かく暮らすか」「灯油消費量を減らすことはできないか」という試みが始まりました。今でいう断熱の家です。ちょうどその頃、オイルショックも起きましたので、焦眉の問題だったのです。
その後、断熱の技術も改良が重ねられ確立していきました。同じタイミングでエコロジーやエコノミーの観点から、「できるだけ冷暖房効率を落とさない家」が関東以北で広がっていきました。
では、温暖ないしは夏場は酷暑となる西日本ではどうでしょうか。近年では、高齢化により「家の中の温度差を減らしたい」というニーズが広がっています。エアコンで冷却した空気、暖房器具で温めた空気を逃がさないようにし、ヒートショック現象を低減する家が求められているのです。
断熱は、今や日本全国の家に必要なものと考えられ始めています。
では、家のどこで屋内温度と屋外温度の“熱交換”が行われているのでしょうか。屋根や壁もそうですが、一番のネックは「窓」です。そのことは結露などの現象から、どなたもがお気づきになっておられるかもしれません。
その窓に、従来のアルミ、つまり熱伝導が高い素材が使用されたままであれば、いくら壁面に断熱材を施しても“ムダ”が出ます。ムダを回避するため、金属でない樹脂のサッシが注目されるようになっているのです。
樹脂サッシ取り扱いメーカー5
日本における樹脂サッシの歴史は、まだ浅いといっても過言ではありません。しかし、近年多くのメーカーから樹脂サッシが販売されています。
その中でもいち早く樹脂サッシを手がけているメーカー、樹脂サッシの本場であるドイツの製品を日本国内で販売している会社もあります。それぞれの会社や商品の特徴から、おすすめを5つご紹介します。
1.YKK AP
テレビCMでもおなじみのYKK APも、樹脂サッシ(YKK APでは樹脂窓と表示)を取り扱っています。
熱伝導率が低い樹脂を使用、さらにLow-E複層ガラス(遮熱/UVカット)を組み合わせることで、太陽光日射熱を50%以上カット。さらに、冷暖房で適温にした室内の温度を無駄にしません。
また、ガラスの底の部分とガラスを支えるフレーム間の段差が少なく、掃除がラクという特徴があります。
2.エクセルシャノン
樹脂サッシを専門に取り扱うメーカーがエクセルシャノンです。一般戸建て用からビルやマンション向けのものまで幅が広いこと、防火性能や遮炎性能を備えたラインナップまでを取り扱っていて、工務店やビルダーとの取引を行っています。
同社は、1976年、日本初の樹脂サッシを製造したいわば“老舗”。その点から考えれば、安心できるメーカーといえるでしょう。
もちろん、Low-Eガラスのペアガラス、トリプルガラスも扱っていますし、ガラスとガラスの間に熱伝導率の低いアルゴンガスを閉じ込めてあるのも特徴です。
3.TOSTEM(LIXIL)
TOSTEMはそもそもサッシメーカーでしたが、INAXと統合、その後建材や設備を取り扱うLIXIL内で“ブランド”としてその名を残しているという歴史があります。
創業は60年以上前で、ちょうど戦後復興の局面で大量に必要となった建材を供給する企業として立ち上がりました。
現在のラインナップは、強度と断熱性能を兼ね備える「アルミ×樹脂のサッシ」、窓を大きく見せる「フレームイン構造サッシ」など個性的なものが多くあります。
4.エーデルフェンスター
樹脂サッシはそもそも、ドイツで開発されたものです。その後、欧米に“住宅における省エネ”の考え方が広がり、この樹脂サッシのシェアが広がったのです。その流れを汲むのが、エーデルフェンスターです。
1枚のガラス、つまりサッシ同士を連結するキットも取り扱っていて、開口部サイズや好みのデザインに合わせた個性的な窓を作り出すことができます。
また、窓上部を家の内側に少し倒す+窓全体を室内に大きく開く機能をもったラインナップ「ドレーキップ」が特徴的です。家に誰もいないときは通気のために上部を少しだけ開けておく、掃除をするときは大きく内開きにし室内から窓拭きができる、と、日常的な使い勝手にも配慮がなされています。
5.クレトイシ
酸化チタンを含ませた樹脂により窓の剛性を確保しながら、アンティークなデザインと16色から選べるクレトイシの樹脂サッシは、「機能×自分らしさ」を求める方にうってつけの樹脂サッシでしょう。
四角の一般的な窓だけでなく、円形/楕円形/半円形などもあります。この各種デザインを組み合わせることで、家の外観にアクセントをプラスできるのがクレトイシの樹脂サッシの特徴です。
リフォーム用の商品もラインナップにのぼっていて、断熱リフォームと一緒に“窓の断熱化”を目指す方にも選びやすいものでしょう。
まとめ
今や、日本国内の新築住宅、リフォームを必要とする住宅で「断熱」が重視されています。断熱といえば、断熱材に目が向きがちですが、熱の出入りが大きいのは実は窓。窓部分から熱が逃げないようにするのがとても重要なのです。
そこで近年、熱伝導率の低い樹脂製サッシが注目されるようになっています。さまざまなメーカーが独自の機能や特色を打ち出しています。「何を希望するのか」「どのような窓を作りたいのか」で選ぶことができるようになっています。
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