屋根の種類(形状と名称)、その特徴など代表的な7つ。補修・リフォーム方法は?

屋根の種類(形状と名称)、その特徴など代表的な7つ。補修・リフォーム方法は? リフォーム・リノベーション

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家の特徴ともなる屋根には、多くの種類があります。形状や名称、屋根に使われる素材の特徴を知っておくと、家づくりの際に話がスムーズに進みます。

ここでは、屋根の種類について網羅的に扱っていますので、屋根の形状を決めるとき、屋根の素材を決めるときに悩まずにすむようになります。屋根の種類や素材選びにお役立てください。

本文に入る前に、この記事を読んでいるあなたへとっておきの情報をお伝えします♪
 

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1.屋根の種類(形状と名称)、その特徴、代表的な7つをご紹介

屋根には多くの種類があり、家全体の印象に合う・合わないのみならず、費用の問題、その土地ならではの気候にマッチするかどうかで選ばなければなりません。代表的な7つの屋根の形状やその特長についてご説明します。

1-1.片流れ屋根

文字通り、一方方向へ流れるように作られた屋根です。形状が単純でありながらも見た目にインパクトがあるため、家のアクセントとなってくれ、スタイリッシュな印象をもたらしてくれます。

つくりが単純ですので、工事の手間も少なく済み、費用の面でも安価という特徴があります。また、日当たりが確保できる南向きであれば、太陽光発電パネルの設置もしやすいのが片流れ屋根です。

しかしながら、雨水や屋根に積もった雪が一方向に集中して流れ落ちてしまいますので、隣家への配慮が求められます。

金属製の屋根素材のみならず、瓦を使っても様になります。

1-2.切妻屋根

切妻屋根(きりづまやね)とは、家の中心部を頂点に、屋根が左右に下るものです。子どもさんに「家の絵を描いて」というと描かれるのが、この切妻屋根でしょう。

切妻屋根は、雨を均等に落としてくれますが、両面に雨どいが必要となります。

ごくごく一般的な屋根の形ですので、個性をつけづらくはありますが、和風の瓦、洋風の瓦、金属屋根などあらゆる素材とマッチします。形状が複雑でない分、屋根のメンテナンス時に手間隙がかからずコストを抑制できるというメリットがあります。

1-3.寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根は、屋根の面が4つになります。先の切妻屋根に2面追加した形状で、それぞれが4方向に傾斜していて、風に強いという特徴があります。

和風の家に用いれば重厚感を与えてくれますし、金属屋根で仕上げれば軽やかでデザイン性の高いイメージが生まれます。

1-4.方形屋根(ほうぎょうやね)

家の中心をてっぺんに、4方向に落ちるような形状をしているのが方形屋根です。先の寄棟屋根との違いは屋根の頂点の数で、寄棟屋根は2点、この方形屋根は1点です。

正方形に近い床面積の家に使われるもので、重みのかかり具合も安定していますので、風雨に強いことが特徴です。

どのような素材ともしっくりくる屋根の形です。

1-5.陸屋根(りくやね/ろくやね)

鉄筋コンクリート造のマンションなどでよく見られる、水平の屋根です。防水の面で一般的な木造の家では採用しづらい形状の屋根です。

しかしながら、屋上が使えるというメリットから、防水工事に重点を置き、屋上緑化をセールスポイントにしているハウスメーカーも現れています。

また、豪雪地帯では、落雪による事故を防ぐため、融雪システムと、樹脂を使ったしっかりとした防水、排水設備を備えることで「雪降ろしの必要のない家」とすることも増えてきました。

1-6.招き屋根・差しかけ屋根

切妻屋根の一部に段差をつけてスペースを生み、内部はロフトに、外部からは壁と窓が印象的な家にするため用いられる「招き屋根・差しかけ屋根」は、近年多く用いられてる屋根のひとつです。

この屋根の形状は、高い部分にあり切妻屋根の片面が短くなった「招き屋根」と、一段低く構える「差しかけ屋根」とで1セットになります。

モダンな印象が強い形状ですので、洋風の瓦や金属屋根との相性がよい形です。

1-7.入母屋屋根(いりもややね)

ベーシックな4面構成の寄棟屋根の上部に、2面構成の切妻屋根を乗せているのが「入母屋屋根」です。

どっしりとした日本家屋でよく見る屋根の形状ですが、その複雑さから雨じまい(あまじまい・雨が建物内に入らないようにする工夫)に手間がかかり、費用がかかる側面が否めません。

しかしながら、重厚な和風の家が欲しいときには検討したい屋根のひとつです。

2.屋根を理解するときに覚えておきたい用語

家づくりのとき、屋根の形状を検討する際に出てくる用語を知っておくと、話がスムーズに運びます。屋根にまつわる基本的な用語は以下の通りです。

2-1.大棟(おおむね)

屋根の一番高い場所にある水平の部分のことです。切妻屋根や片流れ屋根は、この大棟が大きくなります。

2-2.下がり棟(隅棟)

屋根の面と面が隣り合うラインを下がり棟または隅棟(すみむね)と呼びます。この部分は寄棟屋根や方形屋根、入母屋屋根に存在します。

この部分の雨じまいがうまくできていないと、雨漏りの原因となります。

2-3.軒先

屋根が家から突き出た、先の部分を軒先といいます。軒端(のきば)とも呼ばれ、特定の一部分を指すのではなく、突き出た部分の水平ラインを指します。

2-4.けらば

屋根の短辺の端(“へ”の字の部分)のことを指します。これは切妻屋根に現れます。軒先ほど長く突き出ていませんので、その下にある窓からは雨が入り込みやすくなります。

3.屋根のつくり

屋根のつくり

屋根は一度葺かれると、その内部を見ることはほとんどありません。とはいえ、雨漏りがするようになったり、家の大規模リフォームに伴い、手を入れなければならない場所でもあります。

屋根の構造を知っておくと、いざというときのために役立ちます。

家の内部から近い順に、垂木・野地板・ルーフィング・屋根材となります。

  • 垂木=大棟から斜めに下がるラインを形作る木材で、概ね45センチメートル間隔で取り付ける
  • 野地板=垂木の上にかける板で、厚み9~12ミリメートル程度のものを取り付ける
  • ルーフィング=野地板の上に敷く防水シートで、アスファルトを浸透させたアスファルトルーフィングが多く用いられる
  • 屋根材=瓦やスレートなど、屋根が屋根として見えるところに存在するもの

4.屋根に用いられる素材

私たちが屋根と認識するのは、目に見えている瓦などです。使用される頻度の高いもの4つは次の通りです。

4-1.日本瓦/和瓦

日本古来の瓦は、焼き物であることはご存じの通りです。飛来物によって衝撃を受けない限り100年はもつとされていて、メンテナンスもほぼ不要です。

瓦の内部に水が入り込まないよう、表面に釉薬をかけて焼いた「釉薬瓦」、釉薬は使用せず焼き窯の中でいぶすことで膜をつくる「いぶし瓦(無釉薬瓦)」があります。

瓦自体はとても丈夫なものではありますが、その重量はとても大きく、地震のとき横揺れを増幅させてしまう原因ともされる側面があります。

本来は、野地板やルーフィングの上に突起物をつけ、そこに引っ掛けるように乗せていくものでしたが、近年では瓦用の釘で固定する方法がとられます。

4-2.スレート

軽量・安価なことで採用しやすいのがスレートです。コロニアルやカラーベスト、ストレート屋根と呼ばれることもあり、現在流通しているもののほとんどはセメントに繊維を混ぜ込んで成型された平らな瓦です。

軽量で家に負担をかけないこと、種類が多いことも魅力です。しかしながら耐久性は日本瓦には程遠く、定期的にメンテナンスをしても30年・40年ほどで、スレートの入れ替えをしなければなりません。

とはいえ、そもそもが安価であること、日本瓦の屋根に対し構造が簡単で施工費用も安く上がることから、リフォーム費用が膨大になることはありません。

4-3.ガルバリウム鋼板

外壁材でも使われるガルバリウム鋼板は、屋根の材料としても用いられています。ガルバリウム鋼板の屋根材はとても軽量であるうえ、瓦風、スレート風など、ある程度デザインが選べます。

耐久性でいえば、日本瓦以下、スレート以上といえるでしょう。30年ほどはメンテナンスが不要とされているからです。

しかしながら、金属製であるがゆえにルーフィングに熱を伝えやすい性質をもっていて、それを緩和するため15ミリメートル程度の薄手の断熱材がついています。

4-4.銅板

銅といえば10円玉を思い出されるでしょうが、屋根材としての銅版はブルーグリーンの色が施されています。銅の特徴として緑青(ろくしょう・サビではあるがそれ自体が皮膜となり銅の腐食を防ぐ)が発生しますので、その色を事前に表現しているためです。

最低限のメンテナンスを行えば100年はもつとされているのが銅板のよいところでしょう。神社の屋根で青っぽい緑のものを見たことはないでしょうか。これが銅板の緑青(ろくしょう)です。

軽量ですので、家本体に負担をかけませんし、地震の際にも剥がれ落ちたりすることはほとんどありません。

しかしながら、他の金属性の屋根材に比較して銅板は高額です。また、金属全般の特徴として、雨天時、雨音が気になるという点がありますので、断熱材・防音材などを施す必要があります。

似合う家は、洋風の家です。もしくは、どっしりとした和風の家に使うのもよいでしょう。

5.屋根の補修・リフォーム方法

屋根の補修・リフォーム方法

形状・屋根材の種類を問わず、雨漏りなどで目に見える困りごとを体験しやすいのが屋根です。屋根は四六時中紫外線や風雨にさらされ、文字通り家を守るための役割を担っていますので、傷みについては常にチェックの目を光らせておいて頂きたいものです。

とはいえ、実際に雨漏りが始まってから補修に取り掛かるのでは遅すぎます。目に触れにくい天井裏や内外壁の中にある木材部分に雨が吹き込み木の腐食が進み、家を支える上で重要なパーツを侵していることもあるからです。

5-1.定期的なチェックは不可欠

新築・引渡しから15年頃、屋根のチェックを行います。釘が抜けていないか、塗料がはがれていないか、ひび割れはないか、など、目で見てある程度の判断ができますので、施工業者に依頼して確認してもらってください。

5-2.メンテナンスの方法

屋根材のメンテナンスが必要となれば、屋根材の種類によって手当てを検討します。

  • 和瓦=瓦自体に問題はなくとも、継ぎ目にカビやコケが生えていたら取り除く
  • スレート=高圧洗浄などできれいにしたあと、塗り替えをする
  • ガルバリウム鋼板=サビをチェック、必要に応じてサビ止めや再塗装をする

それぞれの屋根材に応じたつなぎ目部分の素材(コーキングや漆喰)を打ち代えなければならないこともあります。もちろん、この方法が全てではなく、傷み具合にあわせて検討します。

5-3.リフォームの方法

屋根材も定期的なメンテナンスが必要ですが、その下で雨漏りを防いでくれているルーフィングの寿命は20年程度とされています。そのため、20年に1度は屋根材をはがし、リーフィングやときに野地板も取り替える必要が出てきます。

一度屋根材を取り除き、ルーフィングや野地板など取替えの必要なものを交換し、再度屋根材を戻します。このとき、外壁などと同時にリフォームを考えているのであれば、それに合った屋根材に変更するケースもあります。

5-4.工期を短縮できる「屋根カバー工法」

屋根のリフォーム方法のひとつに、「屋根カバー工法」というものがあります。既存の屋根材の上に新たな屋根材をかける方法です。

しかしながら、粗悪な工事しかしない業者の場合、ルーフィングや野地板の状況を確認せず、そのまま屋根材をカバーしてしまうこともありますので注意が必要です。

この屋根カバー工法が使える屋根材の種類はスレートが主なものです。起伏がなくシンプルですので、屋根材の上にカバーを掛けやすいからです。

工期の問題、古い屋根材にはアスベストが使われていて撤去に費用がかかる問題をクリアする方法としても注目されてはいますが、上にかける屋根材がガルバリウム鋼板など軽量な種類のものしか選べないというデメリットもあります。

まとめ

屋根の形・屋根材には様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。屋根は家の中でも最も苛酷な自然環境にさらされる部分であるだけに、新築のときのイメージのみならず、メンテナンスやリフォームのことも考えて選びたいものです。

今回は屋根の種類についてご説明しましたが、特に次の5つの点をご理解いただきたいと思います。

  1. 屋根の形状の種類は大きく7つ。近年は片流れ屋根や陸屋根、招き屋根・差しかけ屋根が人気
  2. 屋根は大まかに垂木・野地板・ルーフィング・屋根材で構成される
  3. 屋根材として使用される素材の種類は増えている。それぞれの特徴を理解し、将来行う補修・リフォームについても知っておくこと
  4. 屋根の補修・リフォームは屋根材の種類により異なる。しかしながらルーフィングの寿命は20年
  5. 屋根のリフォームには屋根カバー工法も。工期が短いメリットはあるが、すべての屋根で行えることではない

 

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