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家を建てるにあたり、レトロな雰囲気を好む方にとって魅力的なのは、古い木材ではないでしょうか。また、今ある家の雰囲気を活かしつつリフォームやリノベーションをするとき、目に見える部分に「新しい木材」を使用することは不自然で、好ましくないとお考えかもしれません。
今回はこのように「レトロ好み」または「リフォーム/リノベーションにマッチしたものを」をお考えの方に、古材の魅力についてお知らせします。
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1.古材とは?
古材とは、文字通り古い材料のことです。古民家の再生や維持管理などを手がけている一般社団法人古民家再生協会東京では、築50年以上経過した建物に用いられた国産木材と定義しています。
特に木造住宅においての「梁」「柱」で、太く立派なものを求めようとしても、現在流通しているものから希望するサイズのものは得にくいことがあります。
古材はこの問題点をカバーしてくれる選択肢のひとつとなります。
2.古材/自然乾燥木材の特徴
近年建物に使用されている木材は、高温で強制的に水分を飛ばしたものが主流です。この方法で乾燥させた木材は反り/割れが少ないというメリットはあるものの、無理に乾燥させる分ツヤやしなやかさが失われているというデメリットがあります。
一方、古い建築物に使用されている木材は、自然乾燥です。長い時間をかけて乾燥させた分、木材が本来持っている樹脂を蓄えたままです。木材本来の美しさがあるだけでなく、家の材料として使われてきた期間中に生み出された味わいがあると同時に、しなやかさがあり強度面でも安心です。
このことから、新築の家、新しい木材使用であっても、強制乾燥木材+プレカット(工場で図面どおりに木材をカットし、建築現場で組み立てるだけにしたもの)ではなく、自然乾燥木材+現場での大工の手刻みを好んで採用する建築家も少なからずいます。
3.リフォーム/リノベーションでの“活躍”
リフォームやリノベーションをしようとするとき、「完全リニューアル」ではなく、今の家の雰囲気を保ったまま家の機能性を上げたいと考えるのであれば、古材はとても有効です。
特に現在は、梁や柱をあえて見せる「あらわし」が流行中です。
また、リノベーションでふたつの部屋をひとつにしたいこともあるでしょう。そのような場合、傷んだ部位が現れたらどのようにすればよいのでしょう。
こんなときこそ、古材と手刻み技術の登場です。傷んだ場所を一旦取り去り、新しい(といっても自然乾燥の)古材を組み合わせ、新たな梁や柱に仕立てるのです。
組み合わせる木材の状態や性質を知り尽くした腕の良い建築家や大工さんが、状況に合わせ「仕口/継手」を検討します。
■「仕口・継手とは│Y.O設計」
ときに、継いだ木材同士の色合いが異なってしまうこともあります。しかしながら、今の住まいで使っている木材をそのまま使える、いままでどこかの暮らしを見守ってきた木材を使えるという面で“ロマン”を感じさせるものとなりますし、無理に新しい強制乾燥木材を使用したことで起こる不自然さを回避する方法となってくれます。
4.古材はどうやって手に入れる?
古き良きものに対する認識が広がっていること、そしてエコロジーの観点から古材への関心が高まっていることから、古材を専門に取り扱う会社も現れています。
もちろん、先に挙げたような梁や柱の用途のみならず、フローリング材や内装壁材としても利用できる古材も取り扱っていて、雰囲気のある部屋作りにも役立ってくれます。
■「VINTAGE WOOD」
■「古木マーケット」
■「古材日和グループ」
■「WOODPRO ASHIBA」
5.新築の家で古材を使う例も
では、古材はリノベーション/リフォームでのみ使用されているのでしょうか。答えは「No」です。
新築の家であっても、強度や雰囲気の確保のため、あえて古材を使用する例があります。
「レトロモダン(和モダン)の家」
「西山の住まい」
「穏やかな時がながれる平屋の空間|BREATH」
いかがでしょうか。いずれも古材ならではの味わいを活かした魅力的な住まいとなっています。
古材は、家に使用される木材の傷み補修やリフォーム/リノベーションだけでなく、新しく建てられる家のイメージを重厚に、かつ穏やかにしてくれる役割を担います。
まとめ
古材は、自然乾燥と使い込まれた味とで、その雰囲気を作り出すため、新しい木材では表現できない独特の美があります。
今流行中のブルックリンスタイル、いわゆる男前インテリアにもすんなりマッチし、ビンテージ感をうまく取り入れることができますので、床の張替えや内装壁材にも積極的に取り入れてみたいもののひとつでしょう。
今回の記事で特にご記憶いただきたいのは、次の3点です。
1.古材は「自然乾燥」。ツヤやしなやかさが特徴
2.リフォームやリノベーションにも大いに役立つ
3.「古材市場」は拡大しつつある
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