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2018年6月18日の朝、大阪府北部を震源とした大きな地震が起きました。痛ましいことに数名の死亡が確認され、けがをした方の数も現在増え続けています。
近年記憶に残る大きな地震は、最初の大きな地震が前震、そしてその後に本震が発生しています。今回の大阪府北部を中心とした地震もそのようになる可能性は否定できませんので、さらに防災意識を高めておかなければならないといえるでしょう。
今回は、地震後初期に起こるであろうことを中心に、防災行動について解説いたします。
地震!そのときに自宅で行うべきこと
大きな揺れに遭遇したとき、人はどうしてもパニックを起こしがちです。
ですが、その瞬間と揺れの直後に行う行動ひとつで、事故を最低限に抑えることができます。
地震の瞬間は「まず身を守る」
自宅など建物の中にいる場合、机など丈夫なものの下にもぐりこみます。
できればクッションなどを頭部に乗せて、より安全を確保できるようにします。もしもお子さんがいらっしゃるのであれば、お子さんの頭部を抱きかかえ、一緒に丸い姿勢をとります。
もしも本棚や食器棚など、重量のある家具があるなら、それらから離れてください。
また、ガラス窓のそばにいた場合は、寝室であれば布団に包まる、リビングなら窓ガラスから遠い場所に移動するなど、飛散物から身を守る行動も必要です。
火の始末
当然のことながら、調理などで火を使っているときはまず消火です。
一旦揺れが収まってからでかまいませんので、火の始末をしましょう。もしも油などに引火し、出火した場合、あわてて水をかけてはなりません。油の飛び散りで大やけどをしてしまいます。
出火した場合は、「火事だ!」などと周囲の人に注意を呼びかけながら、湿らせたフェイスタオル(充分に絞ったもの)3枚を、菜箸などを使って身を守りながらなべに被せてください。
「天ぷら油火災 濡れタオルによる初期消火│横浜市消防局」
避難経路を確保し、室内もスリッパや靴で移動
建物が少しでもゆがんでしまうと、引き戸やドアが開けづらくなってしまいます。こうなってしまうと、逃げようにも逃げられなくなってしまいますので、揺れが収まってからすぐ、これらを開放し、避難経路を確保します。
セキュリティ面での心配もありますが、室内に取り残され誰にも気づかれずにけがをするよりははるかによいことです。
そのとき、足元にはガラスや陶器の破片が飛び散っているかもしれません。底の厚いスリッパ、ないしは歩きやすいスニーカーなどの靴で移動してください。
外出時に取るべき安全行動
地震はいつどこで発生するかわかりません。
もしも外出先で地震に遭ったときは、次のことに注意します。
移動にエレベーターや自動車を使わない
最新式のエレベーターは、地震(S波/P波)を感知し、自動的に最寄の階に止まるようになっていますが、古いタイプのエレベーターの場合、閉じ込められる場合があります。
このような問題を回避するため、地震で避難するときはエレベーターを使用せず、非常階段(非常口)を使いましょう。とはいえ、地下街や地下鉄駅の場合、階段に人が殺到しますので、落ち着いて他に非常口がないか確認してください。
たまたま自動車の運転中に地震に気づいたときは、その時点で道路の左側に車を停止させます。他の車との接触を避けるため、落ち着いて周囲の車の動きを確認しながら緩やかにスピードを落とすことも忘れずにいてください。左側に寄せる行動には、緊急車輌通行を妨げないという意味もあります。
揺れが落ち着くまでは車内にいていただきたいものですが、揺れが収まったのなら可能な限り道路外に自動車を移動させ、車検証などの貴重品のみを持ち、エンジンキーを車内に残したまま安全な場所へ避難します。
このとき、名刺など後に連絡をもらえるようなものを車内に残しておくとよいでしょう。
地震後の安全確保
出先で地震に遭遇したとき、一時的に避難できる場所を探しましょう。
全国の自治体は、有事の際に解放する避難所を準備おり、一時避難所や帰宅困難者一時滞在施設、給水拠点や医療機関などの情報を公式サイトやアプリで取りまとめています。
一時避難所の探し方
スマートフォンをお持ちの方は、今すぐにでも「全国避難所ガイド」をインストールしてください。先に触れた一時的な避難場所など、今いる場所にほど近い施設を調べることができる上、道順案内もしてくれます。
「防災情報 全国避難所ガイド」
iOS版はこちらからインストールできます
android版はこちらからインストールできます
無理に帰宅しようとしない
身体に感じられる余震が続く場合、会社や学校に留まるのもひとつの方法です。また、出先の目的地までの間に地震を感じたときは、先で触れた避難場所へ向かいます。
東日本大震災の際にも明確になったとおり、「自分の身は自分で守る」ことが基本です。
必要とあらば、無理に帰宅をすることをあきらめるのも安全行動のひとつです。
安否確認のため利用するのはSNSや電子メールで
地震後、気になるのがご家族やご友人、ご親戚などの安否です。しかし、大規模地震のとき、通信事業者はあえて通話・通信できる量を絞ることがあります。これは緊急通報など非常連絡をスムーズに行うための措置ですので、致し方ありません。
しかしながら、パケット通信である電子メールやSNSの通信はほぼその影響を受けません(今いる場所のそばの基地局が被害を受けている場合は除く)。
多少の時間差はあったとしても、概ね連絡は取れますし、LINEなどですと「既読」がつくだけで安心感を得ることができます。事前に家族のグループチャットを組んでおくとよいでしょう。
ご高齢の方など、いわゆるガラケーをお持ちの方へ連絡を取りたい場合は、公衆電話を利用しましょう。公衆電話は「災害時優先電話」と位置づけられていて、災害時につながりやすいという特徴があります。
とはいえ、それは安否の確認までに留めてください。他の方も同じ理由でその公衆電話を使いたいかもしれないからです。
「東京くらし防災」を入手し、災害時に備える
東京都は、いざというときのための基本的なアドバイス/ヒントを「東京くらし防災」という冊子、ないしは電子ブックで公表しています。
東京都がとりまとめたものですので「東京くらし防災」という名がついていますが、日本全国どこにいても役立つ情報ばかりが収められています。
「東京くらし防災│東京都防災ホームページ」
事前にダウンロードしてプリントアウト、家族で共有しておくのもよいですし、スマートフォンやタブレットをお持ちであれば電子書籍版を入手しておくのもよいでしょう。
「東京くらし防災Kindle版│東京都総務局総合防災部防災管理課」
正しい情報を得る
大規模災害が起きたとき、ネット上にはありとあらゆる情報が漂い始めます。正しいものもあれば、誤ったもの、ときにはデマでさえ発信されます。
そのような情報の中からより正確で必要なものを得るため、以下のような備えをしておきましょう。
「radiko(ラジコ)」のインストール
NHKや地元ラジオ局の放送をスマートフォンで聴けるアプリが、radikoです。
「radiko.jp」
iOS版はこちらからインストールできます
android版はこちらからインストールできます
コミュニティFM用アプリのインストール
コミュニティFMとは、市町村単位のエリアで放送されるFM局で、2018年5月現在全国に318局あります。
このため、より地域密着型の情報を得ることができます。東日本大震災のときも、このコミュニティFMは、被災した地元の人たちへ生活に必要な情報を届け続けたことはご存じかもしれません。
「コミュニティFM for iPhone│FLIGHT SYSTEM CONSULTING Inc.」
「位置ラジ│Yamaneko-sha」
アプリ「コミュニティFM」はiOSのみですのでandroidの方は「位置ラジ」をインストールしてください。
上記の他にもコミュニティFMをスマートフォンで聞くことのできるアプリがありますので、使い勝手のよいと感じられるものをインストールしておくことをおすすめします。
公式アカウントのフォロー
災害時に必要な情報は、市区町村や報道機関、国の省庁などからも発信されます。もっとも正確で、ご自分に必要な情報は、これらのTwitterやFacebookアカウントから得ることができます。
日頃あまりSNSを利用しないという方であっても、これら公式アカウントをフォローしておくことで、より安心できる情報を入手できることでしょう。
たとえば、
・警視庁警備部災害対策課 https://twitter.com/MPD_bousai
・NHK防災 https://twitter.com/nhk_seikatsu
・総務省防災庁 https://twitter.com/FDMA_JAPAN
・内閣府防災 https://twitter.com/CAO_BOUSAI
といったあたりは「現在知りたいこと」を教えてくれるはずです。
まとめ
今回は、2018年6月18日に起きた大阪府北部を震源とした大きな地震を受け、私たちが大きな災害に遭遇してしまったときに取るべき行動と、正しい情報収集法などについてご説明しました。
今現在、今回の地震の影響を受けておられる方に役立てていただきたいとともに、これからどこで起こるかもしれない大規模災害に備えたい方にも、ご一読いただきたい事柄をお伝えしました。
※災害時に役立てていただきたい情報は、「もしも地震が起きたら? 身を守るために知っておきたい住宅に関する5つの事柄」や「災害時にあなたを助ける!ローリングストック法とは?」もご参考ください。
今回の記事の中で、特に重要なのは以下の4点です。
1.大災害時は、「自分の身は自分で守る」ことが基本
2.ご家族や友人などの安否確認は、電子メールまたはSNSで。相手がガラケーのときは公衆電話を利用
3.被災後に必要な情報、災害前に知っておきたい情報はスマートフォンアプリで得ることができる
4.日頃SNSを利用していない方も、市区町村や各省庁の公式アカウントをフォローしておく
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