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「外壁塗装で使うアクリルシリコン塗料って何?」
「アクリルシリコン塗料とシリコン塗料の違いを知りたい」
こういった悩みを抱えている人もいるでしょう。
この記事では、アクリルシリコン塗料について解説します。
具体的には
- アクリルシリコン塗料とシリコン塗料の違い
- アクリルシリコン塗料とアクリル塗料の違い
- アクリルシリコン塗料の種類
- 自分に適したアクリルシリコン塗料の選びかた
- アクリルシリコン以外の塗料とは?
を説明していきます。
似たような名前で別成分の塗料もあり間違いやすいため、この記事で確認していきましょう。
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外壁塗装で使うアクリルシリコン塗料とは
アクリルシリコン塗料とは「シリコン塗料」の一種です。
外壁塗料のグレードには「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」があり、シリコン塗料のなかでも主流となっているのがアクリルシリコンです。
アクリルシリコンは、以下の2つを反応させて作った「変性樹脂」による塗料です。
- シラノールやアルコキシ基を含む「シリコン化合物」
- アクリル酸やメタクリル酸誘導体を重合して得られる「アクリル樹脂」
簡単に言えば、アクリルとシリコンを合成した塗料です。
ポリウレタン塗料やフッ素樹脂塗料と比較して、塗装後の表面乾燥が速いという特徴があります。
アクリルシリコン塗料は下地の湿気の影響を受けにくく、低温での塗装が可能というメリットがあります。
アクリルシリコン塗料を使うと、仕上がりに肉持ち感があり、光沢の良い塗装面となるでしょう。
耐用年数は12〜15年程度で、価格は1㎡あたり2,730〜4,140円が相場です。
アクリルシリコン塗料とシリコン塗料の違い
アクリルシリコン塗料はシリコン塗料の一種です。
シリコン塗料で主に使う成分がアクリルシリコンです。
このため、シリコン塗料といえばアクリルシリコンを指すことが多いです。
アクリルシリコン塗料とアクリル塗料の違い
アクリルシリコン塗料とアクリル塗料は別物です。
アクリル塗料とは「ウレタン」「シリコン」「フッ素」と並ぶ塗料グレードの1つで、耐用年数が非常に短く、価格の安い塗料です。
現在ではコストパフォーマンスが非常に悪いため、外壁塗装ではほとんど使われなくなりました。
希釈材料や性質によって「エマルション」「水溶性」「溶剤希釈系」「熱可塑性」「熱硬化性」といった種類があります。
アクリルシリコン塗料は、アクリル塗料とシリコン化合物を合成した塗料です。
アクリル樹脂をベースとしていますが、まったくの別物と言えるほど性能が高くなった塗料です。
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アクリルシリコン塗料の種類
アクリルシリコン塗料には性質ごとにさまざまな種類が存在します。
- 水性と溶剤系
- 弾性塗料
- 1液型と2液型
- 単層仕上げと複層仕上げ
それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
水性と溶剤系
水で希釈する塗料が水性、シンナーで希釈する塗料が溶剤系です。
塗料は外壁に塗装する際に希釈(薄める作業)を行うことが多いです。
希釈をしなければ塗料の粘り気が強すぎて正常に塗装ができないためです。
塗料の材料によってシンナーと水のどちらで希釈するかが決まります。
水性アクリルシリコン塗料は溶剤系に比べて臭いが少なく、価格も安い傾向があります。
一方で、水性アクリルシリコン塗料は外壁との密着性が劣るケースが多いと考えられています。
なお、アクリルシリコン塗料は溶剤系が多いです。
弾性塗料
弾力性をもたせた塗料が弾性塗料です。
アクリルシリコン塗料は、表面が割れやすいモルタル外壁などの下地に塗装するとひび割れを起こします。
弾性塗料とは、弾力性をもたせることでひび割れの防止効果が期待できる塗料です。
特殊塗料だけあって、通常の塗料に比べて価格がやや高くなります。
1液型と2液型
単体で塗装ができる塗料を1液型、硬化剤などの副材料を必要とする塗料を2液型と呼びます。
1液型は一斗缶を開封してもすぐには硬化しないため、翌日でも再利用が可能です。
ただし、2液型に比べて外壁から剥がれやすい傾向があります。
2液型は副材料を混ぜ合わせると硬化が始まるため、数時間で再利用ができなくなります。
このため少量ずつ副材料を混ぜ合わせなくては材料が無駄になってしまい、作業の手間が多いというデメリットがあります。
2液型は1液型に比べて外壁との密着性が高い傾向があります。
このため耐久性能を重視するのなら2液型が望ましいでしょう。
なお、アクリルシリコン塗料は2液型が多いです。
単層仕上げと複層仕上げ
単層仕上げは、モルタルやサイディングなどの一般的な下地に凹凸をつけずにアクリルシリコン塗装をすることです。
複層仕上げは、塗装の前に特殊ローラーや吹き付け作業によって凹凸のある模様付けの作業を行い、仕上げにアクリルシリコン塗装をすることです。
「吹き付けタイル仕上げ」とも呼ばれます。
複層仕上げでアクリルシリコン塗料を使うのは仕上げ塗装だけです。凹凸の模様付けする際はアクリル樹脂や骨材を使うのが一般的です。
複層仕上げは立体感のある模様が作れるメリットがありますが作業工程や材料費が多く、工事費が高額となります。
アクリルシリコン塗料のメリット・デメリット
アクリルシリコン塗料にはどんな特徴があるのでしょうか?
メリットとデメリットを見てみましょう。
汚れが付着しにくい
汚れに強いため、外壁に使用すると雨汚れが付着しにくいというメリットがあります。
紫外線や耐水性も高いため毎日風雨や太陽光にさらされる外壁に多く用いられているのです。
色が長持ちしやすい
塗りたての色が色あせしにくい特徴があります。
長期にわたってツヤを保持してくれるため、長い間きれいな外観を保つことができます。
価格が高め
アクリル塗料やウレタン塗料といった、他の塗料と比較すると価格が高めの傾向にあります。
しかし耐用年数が相対的に長いために、コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
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外壁塗装で自分に適したアクリルシリコン塗料を選ぶ方法
外壁塗装で塗料を選ぶ際の基準は「何を最優先にするか」です。
安く塗装をしたいのか、耐久性重視なのか、遮熱機能がほしいのかによって選ぶ塗料は変わるでしょう。
安さを重視する場合は「ウレタン塗料」
コストパフォーマンスを重視するのなら「シリコン塗料」
耐久性を重視するのなら「フッ素塗料」
上記がおすすめです。
大手メーカーが出しているアクリルシリコン塗料なら、性能や価格に大きな違いはありません。
アクリルシリコン以外の塗料との比較
外壁塗料にはアクリルシリコン以外に数多くの種類があります。
アクリルシリコン塗料よりも安さや耐久性を求める場合は検討してみてください。
塗料の種類 | 1㎡単価の目安 | 耐用年数 |
アクリル塗料 | 1,420円〜1,960円 | 6〜8年 |
ウレタン塗料 | 2,210円〜2,460円 | 8〜10年 |
シリコン塗料(アクリルシリコン以外) | 2,550円〜2,720円 | 10〜15年 |
フッ素塗料 | 3,060円〜3,310円 | 15〜20年 |
アクリル塗料
アクリルシリコン塗料と名前が似ていますが別物です。
外壁塗料では最もグレードが低く、8年以下の耐用年数しかないため現代の外壁や屋根塗装では使われていません。
付帯部と呼ばれる細部の塗装で利用する程度です。
ウレタン塗料
アクリルシリコン塗料よりも安価で8〜10年程度の耐用年数があります。
外壁では利用されていますが、屋根では5年程度の寿命しか無いため近年は使われなくなっています。
アクリルシリコンよりも安価な塗料を探していて、塗装を8年程度で塗り替えても構わない人に向いています。
アクリルシリコン以外のシリコン塗料
「ケイ素樹脂塗料」や「シリコンアルキド樹脂塗料」が存在します。
アクリルシリコン塗料以外のシリコン塗料でも10年以上の耐用年数は期待できるでしょう。
シリコン塗料は一般的にアクリルシリコンが使われていますが、住宅の状況や業者によっては他のシリコン塗料を選ぶ余地もあります。
ラジカル塗料
アクリルシリコン塗料よりもコストパフォーマンスに優れた最新グレードの塗料です。
外壁塗料の劣化を引き起こす「ラジカル」を制御することから「ラジカル制御形塗料」と呼ばれています。
登場して間もないため耐用年数を超えた実例が存在しませんが、今後はアクリルシリコンにかわる主流の塗料になるとも言われています。
フッ素塗料
アクリルシリコン塗料よりも高価格、高耐久な塗料です。
東京スカイツリーや公共施設に利用されている信頼性が高い塗料で、長期的な費用を節約したい場合はアクリルシリコン塗料よりも優れています。
耐用年数は15〜20年と非常に長い塗料です。
無機塗料
塗料に含まれる有機顔料を減らして劣化しにくくした塗料です。
有機顔料は塗料の劣化の主原因となっており、含有量が少ないほど耐久性能が増します。
無機塗料は気候の変動に強いですが色あいは有機顔料に劣ります。
無機塗料は商品によって性能の差が大きく、シリコン塗料より低品質なものもあるでしょう。
しかし、優れた無機塗料はフッ素塗料よりも耐用年数が長く費用が高いです。
光触媒塗料
他の塗料とは一線を画した特殊塗料です。
太陽光によって外壁の汚れを分解し、空気を浄化する効果があります。
費用は他の塗料よりも高額で、施工難易度が高く、工事ができる業者が限られます。
屋根には使えず商品数は少ないですがメンテナンスの手間が省けるメリットがあるでしょう。
まとめ
アクリルシリコン塗料とは、シリコン塗料の一種です。
シリコン塗料といえばアクリルシリコン塗料を指すことが多いでしょう。
耐久性と価格のコストパフォーマンスに優れた塗料で、外壁塗装の材料に迷ったらアクリルシリコン塗料を選べば問題はないでしょう。
アクリルシリコン塗料でどの商品を選ぶか迷った場合は、優先事項を決めましょう。
価格の安さか、耐久性の高さか、特殊機能を重視するのかによって選ぶべき商品が変わります。
必要な条件を満たすアクリルシリコン塗料がない場合は、塗料のグレードを変えてウレタン塗料やフッ素塗料も検討してみましょう。
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