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「外壁塗装をしたいけれど塗料は何を選ぶべきか」
こんな疑問を抱えてはいませんか?
この記事では、外壁塗装における塗料の特徴や価格、次回のメンテナンスまで何年もつかといった情報を具体的に解説します。
塗料選びで迷う心配がなくなりますので、価格や耐用年数が気になる人はチェックしましょう。
なお外壁塗装では基本的に「シリコン塗料」を選べば間違いはありません。
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外壁塗装における塗料の種類、価格、耐用年数をチェック!
外壁塗装における工事費用の目安は100〜145万円程度です。
外壁と屋根の塗装を行った価格ですので、外壁のみの塗装だと安ければ70万円程度となるでしょう。
上記の価格は、シリコン塗料を利用した場合の相場です。
外壁塗装には明確な相場が無いため、業者や地域によって変動するでしょう。
では、外壁塗料にはどのような種類があるのでしょうか?
外壁塗装に使う塗料のグレード
塗料を耐用年数ごとに分けたものは「グレード」と呼ばれます。
外壁塗装で頻繁に利用する塗料としては以下の4つがあります。
塗料の一覧 | 1㎡単価の目安 | 期待耐用年数 | 特徴 |
ウレタン塗料 | 2,200〜2,500円 | 8〜10年 | 期待耐用年数は短く、価格は安い |
シリコン塗料 | 2,500〜2,800円 | 10〜15年 | 住宅の塗装で最も利用されている |
ラジカル塗料 | 2,600〜2,900円 | 14〜16年 | 実績は少ないが、費用対効果は高い |
フッ素塗料 | 3,000〜3,400円 | 15〜20年 | 価格が高く、期待耐用年数は長い |
「期待耐用年数」とは、塗装してから修繕が必要となるまでの年数を指します。基本的にメーカーが試験を行って耐用年数を決めています。
なお、上記の金額や期待耐用年数は目安でしかありません。商品によって大きく異なりますので過信しないようにしましょう。
では、各塗料にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
ウレタン塗料
ウレタン塗料のメリットは価格が安いことです。
デメリットは耐用年数が短いためメンテナンスが頻繁に必要ということでしょう。
10年ほど前までは主流でしたが、近年ではシリコン塗料のほうがコストパフォーマンスに優れるため、ウレタン塗料は外壁に利用される頻度が落ちてきました。
シリコン塗料
シリコン塗料のメリットはコストパフォーマンスが高いことや、実績が豊富なことです。
住宅塗装の多くでシリコン塗料が利用しされているため信頼性が高い塗料です。
デメリットは、ウレタンより価格が高いことと、フッ素より耐用年数が短いという点です。
とにかく安い塗料を使いたい人や、外壁塗装の耐用年数だけを重視する人には向いていません。
使う塗料で迷ったらシリコン塗料を選ぶことで大きな失敗はしなくなるでしょう。
ラジカル塗料
ラジカル制御形塗料とも呼びます。劣化の原因となる「ラジカル」を制御することから名前がつけられました。
メリットは、シリコン塗料よりも費用対効果が高いと考えられていることです。
デメリットは、登場して数年のため実績がほとんどないことです。
発売して間もないため、メーカーが公表している期待耐用年数を実際に耐え抜いた例がありません。
コストパフォーマンスは最も高いと言われていますが耐用年数に疑問が残るため、確実性を重視する場合はシリコン塗料の利用をオススメします。
ラジカル塗料は、劣化の原因であるラジカルを制御しているだけで、実際にはアクリル塗料(ウレタン塗料より安い材料)やシリコン塗料の1種です。
しかし、従来の塗料に比べて耐用年数が明らかに違うため、独自の塗料グレードとして認知されつつあります。
ラジカル塗料は商品数が非常に少ないため、利用する場合は以下の3種類から選ぶことになるでしょう。
- パーフェクトトップ(日本ペイント)
- エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
- アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
これ以外のラジカル塗料を使用する場合は、信頼できるメーカーの製品かどうかを確認しましょう。
フッ素塗料
住宅に使う一般的な塗料のなかで最も耐用年数が長い塗料です。
東京スカイツリーや公共施設で利用されている塗料なので、信頼性は高いでしょう。
価格が高いという難点はありますが、メンテナンスの手間を省きたいという人には適した塗料です。
溶剤系塗料と水性塗料の違いを把握しよう!
塗料には、グレード以外にも2種類の分け方があります。
「溶剤系塗料」と「水性塗料」です。
溶剤系塗料 | 水性塗料 |
シンナーをベースとした塗料 | 水をベースとした塗料 |
ウレタン、シリコン、フッ素などのグレードとは別に、それぞれ溶剤系と水性の両方が存在します。
ウレタンだから水性、シリコンだから溶剤系というわけではありません。
溶剤系と水性にはそれぞれメリットとデメリットがありますのでチェックしてみましょう。
溶剤系塗料のメリット
- 水性よりも耐久性が高いことが多い
- 密着性が高い
- 短時間で乾燥しやすい
水性塗料よりも耐久性が高いことが多いです。
ただし、近年では溶剤系に近い耐久性をもつ水性塗料も登場しました。耐久性があるという理由だけで溶剤系を選ぶ機会は少なくなっています。
密着性については溶剤系のほうが優れている場合が多いです。
水性塗料は素材によっては下塗りが必須の場合があります。
溶剤系塗料は天候に影響を受けにくく、乾燥時間も水性塗料より早い傾向にあるという特徴があります。
溶剤系塗料のデメリット
- シンナーによる悪臭がする
- 火気厳禁
- 密閉した空間での使用は危険
溶剤系塗料の場合、シンナーによる悪臭が強いため塗装作業中は不快な臭いに耐えなくてはいけません。
どうしても悪臭は耐えられないと考えるなら水性塗料を選ぶとよいでしょう。
溶剤系塗料は塗料にシンナーが利用されているため火気厳禁です。
また、溶剤系塗料はシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド、トルエン、キシエンといった物質が多く含まれています。
大量に吸い込むと危険なため、密閉状態に近い場所で作業をする場合は空気を循環させるといった手間が必要です。
水性塗料のメリット
- シンナーの悪臭がない
- 環境に優しい
- 溶剤系よりも価格が安いことが多い
水性塗料はシンナーを利用していないため溶剤系に比べて悪臭を抑えることができます。
環境汚染の原因となる物質の排出量が溶剤系に比べて少ないのも特徴の1つです。
価格も溶剤系塗料に比べると安い傾向にあります。
ただし、溶剤系塗料と同等の品質を求める場合は値段に大きな差はありません。
水性塗料のデメリット
- 溶剤系よりも耐久性が劣ることが多い
- 天候や気温に影響を受けやすい
- 下塗りなしでは塗装できない場合がある
水性塗料は溶剤系塗料に比べて耐久性や密着性が低下する傾向にあります。
一方で、近年では溶剤系塗料に劣らない性能の水性塗料も登場しています。
そのぶん価格も高いので注意しましょう。
水性塗料は乾燥するために一定の気温や湿度が必要です。
5℃未満の気温や、雨の日などは乾燥しにくいため基本的に工事ができません。
塗る素材によっては水性塗料だと密着性が低いために下塗りをしないと塗装できないことがあります。
特殊な機能がある「光触媒」と「遮熱塗料」もチェック
ウレタン、シリコン、ラジカル、フッ素というのは一般的な塗料ですが、他にも特殊な機能を備えたが塗装材料が存在します。
特殊塗料として住宅に利用することが多いのは「光触媒」と「遮熱塗料」です。
どちらもフッ素塗料より高額で、耐用年数は15〜20年程度と考えられています。
光触媒
光を利用して汚れを分解する機能を備えた塗料です。空気をキレイにする効果も期待できます。
メンテナンスの手間がほとんどかからないため、工事をすることが難しい場所などに使用されることもあります。
価格は1㎡あたり3,500円以上が目安です。
遮熱塗料
外壁に塗ることで太陽光を反射し、室内の温度を下げる効果が期待できる塗料です。
夏場の冷房代を抑える目的などで使用します。
遮熱塗料を利用する場合は、外壁を白に近い色で塗装することをオススメします。白に近い色であるほど太陽光の反射率が高まるため効果的に遮熱ができるでしょう。
価格は1㎡あたり3,200〜4,800円程度が目安です。
自分の家に適した外壁塗料を選ぶには?
「塗料の種類が多すぎて自宅に適した材料がわからない」
こんな人のために、目的に適した塗料を紹介いたします。
外壁塗装で塗料を選ぶ際には、まず何を重視するかを考えましょう。
- 価格を抑えたい
- メンテナンスの手間を省きたい
- 費用対効果が高いものを選びたい
など、あなたが望む要素を最初に決めてください。
目的を決めたら、以下を参考にしてみましょう。
失敗したくない人はシリコン塗料
外壁塗装で塗料選びに失敗したくないのならシリコン塗料がオススメです。
シリコン塗料は住宅において最も利用されている塗料で、高い信頼性があります。
コストパフォーマンスが高く、いい加減に塗料を選んでも失敗するリスクが低い塗料だと言えるでしょう。
とにかく安くしたい人はウレタン塗料
耐用年数よりも価格を重視する場合はウレタン塗料が適しています。
ウレタン塗料の耐用年数は8〜10年程度です。
今は予算が無いという場合はウレタン塗料で今回のメンテナンスをしのぎましょう。
10年以内に建物を取り壊す予定がある場合にも向いています。
高品質でメンテナンスの手間を省きたい人はフッ素塗料
メンテナンスを可能な限りやりたくないという場合は、フッ素塗料が向いています。
高価ですが次回のメンテナンスは15年以上も先となりますので、品質重視なら検討してみてください。
リスクがあってもコスパを重視するならラジカル塗料
信頼性を無視してコストパフォーマンスだけを重視するならラジカル塗料が適しています。
実績が少ないため耐用年数までもつとは限りませんが、うまくいけばシリコン塗料を上回る費用対効果が期待できるでしょう。
確実性を求めるなら、あと10年は待ったほうが望ましいです。
しかし、多少のリスクは抱えても構わないのならラジカル塗料も選択肢に入ってきます。
塗料は色だけではなくツヤも注意
外壁塗装の塗料には「ツヤ有り塗料」と「ツヤ消し塗料」が存在します。
なぜツヤ「無し」ではなくツヤ「消し」かというと、基本的に塗料にはツヤがあるからです。
ツヤがある状態から意図的に消していくのでツヤ消し塗料と呼ばれています。
ツヤ消し塗料には以下の5種類があります。
- ツヤ有り
- 7分ツヤ
- 5分ツヤ(半艶)
- 3分ツヤ
- ツヤ無し
基本的にはツヤ有りを使うことが多いですが、7分ツヤ〜3分ツヤを使う場面も珍しくありません。
ツヤ無し塗料は、くすんだ色に見えるため好んで使う人は少ないでしょう。
ただし、塗料によっては特定のツヤしか無いものもあります。
溶剤系塗料の場合は材料の問題によりツヤ消し塗料が存在しない商品が多いです。
ツヤは永久に残るものではありません。
ツヤ有り塗料であっても、3年程度でツヤ無し塗料と同じ状況になるでしょう。
ツヤの有り無しは工事現場では変更できません。
ツヤ消しはメーカーが塗料を制作する段階で調整しています。
ツヤ有り塗料で外壁塗装工事を始めてから「やっぱりツヤ消しにしてください」と言っても簡単に変更することはできませんので注意しましょう。
ツヤ有り塗料のメリット
新築のようにキレイに見えることです。
また、ツヤ消しに比べて耐久性が高いことも多いです。
ツヤ有り塗料のデメリット
外壁が光を反射しやすくなるため上品さや落ち着きに欠け、周囲から目立ちやすくなります。
また、ツヤが消えてくると色が濃く見え始めるでしょう。
ツヤ消し塗料のメリット
落ち着いた上品な外壁に見えやすいことがメリットです。
ツヤがありすぎると悪目立ちすることもありますので、ブラウン系の色のように落ち着いた雰囲気を出したい場合はある程度のツヤを消したほうがよいこともあります。
ツヤ消し塗料のデメリット
ツヤ消しは塗料の耐久性が落ちる可能性が高いです。
基本的に塗料はツヤ有りが前提で作られているため、ツヤ消しにするということは異物を混ぜ合わせることになります。このため耐久性の低下が起こりえます。
また、ツヤが無いと太陽光などを反射しにくいため紫外線などによる劣化が早くなり、汚れも付きやすいです。
知らずに選ぶと損をする!塗料に関する勘違い
「業者にすすめられるままに塗料を選んだら失敗した」
こんな声が後を絶ちません。
最低限の知識も調べずに業者に任せてしまうと工事後に後悔することになります。
あなたが後悔しないよう、塗料に関する勘違いをピックアップしてみました。
オリジナル塗料だから優れているわけではない
業者によっては「大手メーカーより優れたオリジナル塗料を使います」と主張する場合があります。
多くは悪徳業者なので注意しましょう。
オリジナル塗料がダメというわけではありませんが、大手メーカーより優れている塗料を低価格で提供してくる場合は怪しいです。
大手メーカーは切磋琢磨した上で塗料を適正価格で販売しています。
資金力と開発力に優れた大手メーカーの塗料を上回るオリジナル塗料があったとしても、中小企業の塗装業者が安い価格で販売していることは現実的に考えてありえないでしょう。
実際には大手メーカーの塗料の残り物ということもありえます。
基本的にオリジナル塗料は避けたほうが無難です。
セラミック塗料だから耐用年数が長いとは限らない
「セラミック塗料だからフッ素よりも優れている」と主張する業者がいたら危険です。
塗料の耐久性はウレタン・シリコン・フッ素といった塗料グレードで決まります。
しかし、セラミック塗料は塗料グレードとは何の関連性もありません。
フッ素やシリコンといった塗料にセラミック成分を配合しただけです。
耐用年数は、セラミックではなくフッ素やシリコンといった塗料グレードで決まりますので、悪徳業者に騙されないようにしましょう。
塗料の質よりも業者選びこそが重要
フッ素塗料を使えば必ず15年以上の耐用年数があるかと言えばそうではありません。
塗料を選ぶ以上に重要なのが業者の決定です。
どれだけ優れた塗料を使っても、業者の腕が悪ければ数年で剥がれてくるでしょう。
では、優秀な業者はどのように見抜けばよいのでしょうか?
相見積もりをとる
優良業者を見つける上で欠かせないのが、複数の業者から見積を取得することです。
1社だけの見積りでは、工事価格が相場よりはるかに高額だったとしても気付くことができません。
よりよい業者を選ぶためには最低でも3社から見積もりを取得するようにしましょう。
見積りを取得する際には同じ工事条件にしなくては比較ができませんので注意して下さい。
歴史のある地元に密着した業者を選ぶ
優良業者を見抜く方法として、以下が目安となります。
- 創業30年以上
- 地域に密着している企業
創業30年以上で倒産していない会社であれば少なくとも悪徳業者ではないでしょう。
しかも地域を限定して営業している企業なら優良業者の可能性が高まります。
なぜなら、利用者から悪い口コミが出る業者は同じ地域で30年以上も続けることが困難だからです。
同じ地域で長年続けられているということは評判が悪くないことを示しています。
職人が国家資格を持っているかどうかも確認
業者が優良かどうかを判断する基準の1つとして、職人が国家資格を持っているかも問い合わせてみましょう。
依頼者のことを考えた優良業者であれば、職人に塗装技能士の資格を取得させています。
特に「塗装技能士1級」の資格を、業者に所属する職人の大半が取得していれば心配は少ないでしょう。
迷ったらシリコン塗料。塗料よりも業者が重要!
外壁塗装で塗料選びに迷ったらシリコン塗料を選べば間違いはありません。
塗料の選びかたは以下のようになります。
- 予算が出せない人はウレタン塗料
- 塗料を決められない人はシリコン塗料
- リスクをとってでも費用対効果を重視するならラジカル塗料
- メンテナンスの手間を省きたいならフッ素塗料
塗料の耐用年数は塗料グレードよりも業者の技術力に影響を受けます。
塗料選びをするよりも業者の決定が重要ですので「塗料を決めたから大丈夫」とならないように、相見積もりなどを行って適切な塗装会社に依頼しましょう。
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