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進む情報化に合わせ、時にサーバーラックの設置や数十台のパソコンをどこにでも配置できるよう、電力系やLANコードの配線取り回しがしやすいよう設計された、付加価値のあるオフィスビルがインテリジェントビルです。
熱を多く発するこれらのパソコン類を動かしやすいように、一見過剰にも思える空調設備が整っていることもあります。
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今では都市のオフィスビルでは「一般仕様」―珍しくないことも
1980年代に押し寄せた「OA化(office automation)」で、どのような小さな会社にもパソコンが入り込むようになりました。
大きな会社では、一人に一台のパソコンを貸与するようになり、これに伴って電力の大量消費やLANケーブルの取り回しでフロアに段差ができたりなど、これまでの作りのオフィスでは収まりの良くない部分が出てきました。
これをすっきりさせるため、床下に自由にケーブルを取回せるスペースを設けたり、電源を取るための埋め込み式コンセントを床部分のあちらこちらに配置したりすることが一般化してきました。
デスクの配置換えもこれで自由に行えるようになったため、快適なオフィス環境が整えらえるようになってきたのです。
ビルそのものに避雷針をつけること、無停電装置を設置する事で緊急事態にも慌てずに対処できるようになったのもこのインテリジェントビルの特徴です。
地方自治体の主導で先進的企業を入居させたものも存在し、これが地方におけるインテリジェントビルの見本になった時期もあります。
共有の会議室が備えられ、今でいうところのシェアオフィスのような「企業同士の出会いの場」の役割を果たした側面もありました。
情報セキュリティの観点から、オートロックの設置や守衛(受付)を置いているのも目立った特徴です。
これらの機能は現在、ごく一般のオフィスビルでも見られることから、「インテリジェントビル」という言葉は忘れ去られようとしています。
供給過剰となってしまった現代
当時は先進的なオフィスビルとして重宝され、賃料も多く設定できた時代がありましたが、今ではパソコン1台が使用する電力も減り、無線LAN(Wi-Fi)の登場で社内どこに机を移動しようが仕事ができるようになったこと、社内にサーバー室を設けなくともデータの保管が安全に行えるクラウドコンピューティングの登場も手伝い、供給過剰となっているのが現状です。
会社に属さず、もしくは社員でありながらも在宅勤務でIT系の仕事をできるようになった人たちも増えている今、今後このような大掛かりなオフィスビルが更に「余剰在庫」となるのではないかと危惧されています。
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