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建築物の設計や工事監理を行うために必要な資格が「建築士」です。古くは大工さんといった職人がその役割を担っていましたが、建物の規模や形状が大きく複雑になってきたことに伴い、国家資格である建築士が必要となりました。この業務を規定するための法律が「建築士法」です。
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一級建築士と二級建築士の違いは?
一級建築士は国土交通大臣の免許であるのに対し、二級建築士は都道府県知事の免許です。
二級建築士は取り扱える規模が一級建築士と比較して小規模になるだけで、一般の木造住宅ではほとんど問題にならないでしょう。
建築士法で定められる二級建築士の取り扱い範囲は、学校・病院・劇場などの公共施設で延べ面積が500平方メートル以下、木造建築物ならば高さが13メートル・軒の高さが9メートルを超えないもの、鉄筋コンクリート造や鉄骨造であれば延べ面積が300メートルまで、とサイズが限定されています。これらを越える規模のものは、一級建築士でないと取り扱いができないと定められています。
木造建築士という資格も存在する
都道府県知事の免許で、木造建築物に限り延べ面積が300平方メートル・2階以下の建物のみを取り扱える木造建築士という資格も存在します。構造や施工の科目で従来の木造住宅ならではの問題が出されることがあり、大工さんが木造建築士資格を取得することも少なくありません。
木造建築において、より現場に近い資格と言ってもいいでしょう。
建築士法の求めるもの
建築士法第23条には、建築士に求められることが記載されています。
「他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続の代理を行う」
施主の希望にそった家づくりへのアドバイスを行い設計、代理で建築確認申請を行う、建設会社から提出された見積書のチェック、工事契約の際には工事監理として建築士も署名捺印する、工事竣工時の検査、引渡しの立会い―という一連の流れにタッチしなければなりません。取り扱いの規模や構造が異なるだけで、行う内容は同じなのです。
今は珍しくなりましたが、建築士の資格もなしにこのような仕事を請ける人も中にはいました。いわゆる名義貸しですが、このような違法行為にも罰則があります。
少しでも不安を覚えたら、国土交通省や都道府県庁へ有資格者かどうかを確認するべきです。建てたら終わり、ではないのが家です。その家が寿命を迎えるまでお付き合いできる人物(事務所)かどうかを見極めておきたいものです。
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