曳家(ひきや)とは

住宅建築用語集

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曳家(ひきや)とは

 

曳家(ひきや)とは、家を解体せずにそのまま別の場所へ「移設」することです。歴史的建造物や文化財などでは多く使用される手法ですが、数少ない曳家専門業者に依頼しなければなりません。

しかしながら、既にある家と敷地が土地区画整理のエリアにかかってしまったりすれば、家をいくらか敷地の奥に移動させなければならないといったことも考えられます。土地区画整理で「換地処分(土地の入れ替え)」が決められた場合も同じで、家をそのまま「丸ごと引っ越し」させなければならないこともあるでしょう。

このときに検討したいのが、曳家です。

 

曳家は、「家を丸ごと持ち上げて移動させる」こと

曳家は、家を基礎から切り離し、その下にレールとなる鋼材を敷きこみ、レールの上をゆっくりと移動させて、目的のポイントで再度基礎の上に家を据えるという方法をとります。「曳家」で検索すると、いくつもの動画が発見できますので、一度ご覧になってください。

移動させる家の重量やサイズによって必要な期間は異なりますが、せっかく建てた家そのままに保ちたい、住みなれた家を壊したくないといったときに有利な方法です。また、一般的な家の場合、建て直しよりも約60%も安価で済むことが大きなメリットといえるでしょう。

 

曳家は、住環境改善にも役立つ

上で触れたとおり、曳家は土地区画整理に伴う移動、移転だけでなく、同じ敷地内でよりよい環境を手に入れる方法としても活用できます。

たとえば、

・家の南側に高い建物が建ってしまい、日光が入らなくなってしまった

・駐車スペースが欲しくなったが、敷地の真ん中に家があり場所が確保できない

といったケースです。

もちろん、敷地に余裕がある場合のみ採用できることではありますが、概ね1カ月で移動が完了する曳家は、一考の価値はあるでしょう。

電気や上下水道についても、しっかりと対応してくれる曳家業者に依頼すれば、追加費用はかかるもののそのまま使用できます。つまり、曳家作業中であってもそこで生活できるのです。

 

不等沈下にも対応

近年、地震による不等沈下の例が多く報告されています。このときも、曳家の技術が活用されます。

家の傾きがわかったときはすぐにその家を建てた会社と曳家業者に相談してください。家そのものに損傷がないうちは、地盤の調整と曳家で元の状態に戻せるケースがあるからです。

曳家は古くからある技術ですが、なかなか「お目にかかれない」ものです。しかし、今でも充分に利用できるものなのです。

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