世界遺産と歴史からみる、海外の7つの建築様式まとめ

リフォーム・リノベーション

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昨今の日本にも、様々な建築様式がリフォームやリノベーション、インテリアに取り入れられています。今では壁紙を変えるだけで、世界の建築様式の気分を味わうことも…

 

次の記事で「〜調」に合った壁紙をご紹介しています↓

北欧?ロココ調?カフェ風?〜調や〜風のイメージまとめ

 

そして今回は、7つの世界遺産をモデルとして、世界の建築様式をお伝えしていきます。新築やリフォーム、リノベーションのイメージとして、この記事を利用してもらえることを願っています。

 

最後のほうに、世界を魅了する日本の建築様式のことも載せています。せっかくなので海外の世界遺産の建築様式と一緒に、日本の建築様式も改めて覚えていってもらえれば嬉しいです。

参考Web資料

世界遺産オンラインガイド様、Wikipedia様、ことバンク様

画像資料

PIXABOY様

本文に入る前に、この記事を読んでいるあなたへとっておきの情報をお伝えします♪
 

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海外の7つの建築様式

ゴシックの建築様式(モンサンミッシェル)

ゴシック建築は12世紀から15世紀末頃の時代、パリを中心とするフランスを発端に、ヨーロッパ各地に影響を与えた建築様式のこと。

世界遺産モンサンミッシェル

ゴシック建築様式で代表的な世界遺産の一つに、フランスの『モンサンミッシェル』があります。モンサンミッシェルは、人々から西洋の驚異や会場のピラミッドなどと呼ばれ、フランスの巡礼地としても有名です。

 

「ゴシック」の語源は、15世紀から16世紀。中世の芸術を混乱や無秩序な野蛮なモノとして表す言葉、ゴート風やドイツ風、という意味合いを込めてそう呼ばれていました。

 

その後、18世紀になると構造力学的な観点から、とても合理的な建築構造であると高い評価を受け、内部の様子はヨーロッパの黒い森として賞賛され、ゴシックと呼称された当初の野蛮なイメージはなくなりました。

 

★ゴシック建築様式の特徴は、尖頭アーチと呼ばれる頭の尖った丸みのある天井で、女性的な柔らかさを持っています。また、ステンドグラスから温かな太陽の光を注ぎ、放射状の祭室などが作られていました。

バロックの建築様式(サン・ピエトロ大聖堂)

バロック建築様式とは、16世紀~18世紀初頭にかけてヨーロッパ各国に広まった美術・建築・文化の様式のこと。

世界遺産 サン・ピエトロ大聖堂

バロック建築様式で最も有名な建物の一つに『サン・ピエトロ大聖堂』があります。サン・ピエトロ大聖堂がある世界最小の独立国であるバチカン市国は、世界遺産に登録されています。

 

「バロック」の語源は、ポルトガル語で歪んだ真珠という意味で、装飾過大な建築様式に対する蔑称でした。

 

ですが19世紀になると、国家建築に適した建築様式であると注目を浴びました。現在は17世紀以降の建築様式を表す呼称として、元々のイメージを持つ人々は少なくなりました。

 

★バロック建築様式の特徴は、オーダーやアーチなどを使っている建築様式そのものだけでなく、彫刻などの芸術品や絵画などの美術品などで空間が構成されていてとても複雑になっている部分です。

ルネサンスの建築様式(ヌオーヴォ城)

15~17世紀初頭に、イタリアを中心に広くヨーロッパに普及した建築・美術様式のこと。

世界遺産 ヌオーヴォ城

ルネサンス建築様式を用いて建築された、壮大でゲームに出てきそうなお城、『ヌオーヴォ城』。このヌオーヴォ城のある場所が、世界遺産に登録されている「ナポリ歴史地区」です。

 

イタリアのフィレンツェで開花されたルネサンス建築は、やがてイタリアのローマおいて成熟期をむかえます。

 

★ルネサンス建築様式の特徴は、左右対称で調和を意識した造りになっていて、円柱やアーチ、大理石で出来た床や彫刻で装飾した壁などです。

ロマネスクの建築様式(ピサのドゥオモ広場)

中世西ヨーロッパで栄えた建築様式のこと

世界遺産 ピサ大聖堂

ロマネスク建築様式の典型は、ピサの斜塔で有名な世界遺産ドゥオモ広場、その敷地内にある『ピサ大聖堂』です。

 

「ロマネスク」と呼称され始めた当初は、墜落し荒れ果てたローマ風の様式という蔑称の部分が強く、芸術的な建築的価値が認められるようになるのは20世紀になってからです。

 

★ロマネスク建築様式の特徴は、十字に交差する建築の真ん中に丸い蓋を載せた外観や、安定感のある半円アーチを描く装飾などです。

ムデハルの建築様式(サン・マルティン教会)

キリスト教の建築様式にイスラム文化の要素を取り入れた、中世スペインの建築様式のこと

世界遺産 サンマルティン教会

ムデハル建築様式は、世界遺産の登録されている『サン・マルティン教会』が、典型的なムデハル建築様式となっています。

 

「ムデハル」の語源は、アラビア語で残留者という意味を持つ「ムダッジャン」からきています。

 

★ムデハル建築様式の特徴は、幅の狭い窓、色彩タイルやレンガによる幾何学的な模様の装飾となっているところです。

ロココの建築様式(シェーンブルン宮殿)

ロココ様式とは、ルイ14世時代末からルイ15世時代のフランス宮廷を中心に、ヨーロッパで栄えた装飾様式のこと

世界遺産 シェーンブルン宮殿

ロココ建築様式は、オーケストラなどで有名なオーストリアの首都ウィーンにある世界遺産『シェーンブルン宮殿』に使用されています。

 

「ロココ」の語源はフランス語のロカイユ(岩)という意味に由来し、曲線を多く用いた、繊細で優雅な装飾のことをロカイユ装飾と呼びました。

 

★ロココ建築様式の特徴は、ロカイユ装飾が天井から壁にかけて使われ、天井と壁の境界線が明確でないことです。

マヌエルの建築様式(ジェロニモス修道院)

15世紀後半から16世紀のポルトガルで流行した建築様式のこと

世界遺産 ジェロニモス修道院

マヌエル建築様式は、インドの航海路を発見したヴァスコ・ダ・ガマ達の偉業を讃えて、ポルトガルの首都リスボンに建てられた世界遺産、『ジェロニモス修道院』に使われています。

 

大航海時代に海外交易によって得た資金を贅沢に使って、その富を誇示するかのような豪華な装飾が施されました。

 

★マヌエル建築様式の特徴は、船や海を表すようなロープや海草などが、装飾に施されているところです。

世界を魅了する日本の世界遺産と3つの建築様式

ここ数年で、日本を訪れる外国人が増えました。電車に乗っている時にふと辺りを見渡すと、様々な国の人達が乗っていたりします。

 

外国人に人気のある観光スポットとして、東京や京都があげられます。中でも、神社やお寺などに興味を持つ外国人が多くいます。

 

海外から来た観光客を魅了する日本の建造物は、大きく分けると3つの代表的な建築様式から成り立っていることが分かります。

 

それでは一つずつ見ていきましょう。

寝殿造り(厳島神社)

平安時代の貴族住宅の様式。

世界遺産 厳島神社

屋敷の主人が居住していた南方向に面した「寝殿」を中心として、東西北に「対殿」をコの字型に配置。各部屋へは「渡殿」という廊下を通り、行き来が出来るようになっています。

 

「寝殿」には儀式をする場所や舞を披露する場所などもあり、部屋の目の前には池を作り「釣殿」なども設けました。

 

寝殿造りは、基本的に東西対称の配置ということでしたが、実際には非対称のものも多く存在したと言われています。

 

各部屋の仕切る建具はほぼなく、簾や屏風などを使って仕切られていました。

 

寝殿造りの特徴は、自然との調和を重んじた「繊細」で「上品」な造りになっているということです。

 

寝殿造りは、広島にある世界遺産『厳島神社』が有名ですね。京都にある平等院鳳凰堂も寝殿造りだとおっしゃる方もいますが、正確には違うようです。

書院造り(銀閣寺)

室町時代中期に始まり、書院と呼ばれる建物を中心とする住宅の様式。寝殿造りを母体とし主殿造りを経て発達してきたもので、現代和風建築の基本となる。

世界遺産 銀閣寺

書院とは「書斎」のことを指し、主人が中心だった寝殿造りとは違い「書斎」を中心とした武家住宅の様式です。

 

寝殿造りの各部屋の仕切りは簾や屏風だけでしたが、書院造りは襖や障子などで「座敷」や「付書院」などと、部屋の役割に応じて、はっきりと仕切りがつけられています。

 

さらに「座敷」には上段下段、上々段などといった高低差がつけられ、より上段に座る者の威厳を示すモノであったと言われています。

 

また、座敷飾りと呼ばれる装飾が生まれ、床の間、付書院、角柱、襖、障子、雨戸、縁側、玄関といった現代の和風住宅で当たり前となったモノも、書院造りから生まれています。

 

このことから考えても、書院造りが現代の和風住宅のモデルになったと言えます。

 

書院造りは、京都にある世界遺産『銀閣寺(東山慈照寺)』が有名ですね。対比として『金閣寺』と称される、こちらも世界遺産の建物ですが、一階は寝殿造り、二階は武家造り、三階は禅宗様式といった3つの異なる建築様式を調和させている非常に珍しい建物です。

数奇屋造り(桂離宮新書院)

和歌や茶の湯、生花などの趣味を楽しむ場所として、茶室の風を取り入れた住宅様式のこと

「数奇」とは、和歌や茶の湯、生花などの趣味のことを指します。数奇屋とはいわゆる「茶室」と呼ばれるモノです。

 

数奇屋が誕生したのは、書院造りが主流だった安土桃山時代でした。書院造りは、身分の優劣や格式を重んじる役割も持つような造りでした。千利休などの茶人たちは、書院造りに見られる格式的な意匠や豪華な装飾を嫌い、数奇屋のような造りを好みました。

 

「内面を磨いて客人をもてなす」茶人たちが好んだ数奇屋造りの特徴としては、格式にとらわれず素朴で自由。壁は安らぎを感じる土壁で仕上げていることです。襖や障子などのデザイン性も豊かで、建材も奇木など自由に選ばれています。

 

数奇屋造りの代表的な建物に、京都にある『桂離宮新書院』が知られています。

 

元々庶民の住まいに使われた建材を多く用いた数奇屋造りでしたが、現在では高級旅館などにその様式が見られ、特に高級建築とされています。

あとがき

世界遺産には、多くの文化と移り変わる時代背景が切り取られ、反映されています。そこには、リフォームやリノベーションなどのヒントがたくさん詰まっています。

 

今回この記事を書く上で取り上げさせてもらった世界遺産。造られた当時は、その時代の様々なしがらみや欲の表れ、周りからの誹謗中傷などがありました。

 

今この平和な時代に生きる私たちは、とても幸せだと感じました。なぜなら、どんな家にしたいのか考えることも形にすることも「自由」だからです。

 

見た目で好きな家にしてもいい、機能重視の家にするのもいい、その建物の歴史が好きだからでもいい。これじゃなきゃいけないという枠組みはないのです。

 

ただ、お金による不自由さはあるかもしれません。でもアイデアを組み合わせることで、自分が表現したい住まいの形が出来るかもしれません。その方法は探せばいくらでも見つかるはずです。私たちも住まいのアイデアを常に発信していきます。

 

わがままであなたらしい理想の住まいを見つけるヒントに、少しでもこの記事がなってくれたなら幸いです。

 

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