シロアリ対策|今すぐできる駆除の方法と業者に任せるときの注意点【完全版】

シロアリ

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シロアリは大事なお住まいに棲み着き、家の柱や土台を食べます。

シロアリ被害に気付かず放っておくと、耐震性が落ち地震による倒壊の恐れが高まります。

実際に、阪神淡路大震災で全壊または半壊した住宅の大半が、シロアリに食い荒らされていたという、驚くべき調査報告もあります。

つまりシロアリ対策は“命を守る地震対策”でもあるのです。

ところで最近、業者に頼まず“自分でシロアリ駆除したい”という方が増えています。

業者に頼むとそれなりの金額がかかりますし、そもそもシロアリ駆除の相場って分かりにくいですよね。

しかしご自身で中途半端に対策をしても、シロアリを根絶させることはほぼ不可能です。

もしあなたのお宅にシロアリが出ても、慌てずに被害の状況を確認しましょう。

そして間違った対策をとって被害を深刻化させないように、この記事を読んで正しいシロアリ駆除の方法を学んで下さい。

本文に入る前に、この記事を読んでいるあなたへとっておきの情報をお伝えします♪
 

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1.シロアリの生態

驚かれるかもしれませんがシロアリは「ゴキブリ」の仲間であり、アリという名前がついていますがクロアリとは全く違う種類の生き物です。

シロアリは種類ごとに決まった時期(ゴールデンウィーク中や梅雨時等)に、子孫を残すために羽アリとなって飛び立ちます。

この時期以外を除いて、実はほぼ1年中、家の柱や土台を食害して生活しています。

シロアリは非常に発展した社会を構成しており、コロニー(巣)は「女王アリ」「王アリ」「副女王アリ」「副王アリ」「働きアリ」「兵隊アリ」「ニンフ」で構成されています。

1つのコロニーに、女王アリと王アリはそれぞれ1匹ずつ存在し、専ら生殖活動に専念しています。

王アリも重要なのですが、女王アリ(子どもを産む個体)の死は、巣だけでなく種の存続に影響します。

そこでスペアーとして副女王アリ、副王アリが万が一の事態に備えています。

ちなみに、コロニー(巣)全体の9割は働きアリです。

働きアリは「子育て」「巣の建設・維持管理」「エサの収集」など、生活に関するほとんどを担います。

兵隊アリはその名の通り外敵と戦ったり、偵察や仲間の護衛などに特化した役割を果たします。

ニンフは、ある時期になると羽が生え、「羽アリ」となって巣から外の世界へ飛び出していき、新しい巣を作り始めます。

つまり、羽アリはシロアリの一部なのです。

より、深くシロアリの生態を知るために、まずはシロアリの種類から確認していきましょう。

1-1.シロアリの種類

シロアリの種類は世界で約2,900以上も存在し、日本では22種類ものシロアリの生息が確認されています。

この内、建築物に被害を与えるシロアリは主に「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」「ダイコクシロアリ」の4種類です。

どの種類のシロアリが住まいに被害を与えているかによって、とるべき対策も異なります。

1-2.シロアリの行動と性質

シロアリの被害は、木材を食べるだけに留まりません。

家中の至るところに入り込み、家具や本、ダンボールなど木材由来のものなら何でも食べます

しかも女王アリは不眠不休で卵を産み続けるため、放っておけばシロアリは増殖する一方です。

ここでシロアリの行動・性質をご紹介します。

  • 目が退化しているため、匂いを嗅ぎ分けてエサを見つける。
  • 柱や土台などの木材を食べる。(シロアリは木材の主成分である「セルロース」を栄養とする)
  • 木材の中でも湿って腐り始めた木材をより好む。(木が湿気を含むことで「腐朽菌」が繁殖し、腐りやすくなる)
  • 一般的に「マツ」を好み「ヒバ」を嫌う。(木材に含まれている「微量の油性成分の匂い」による)
  • タンスや本棚などの家具を食べる。
  • 新聞紙、衣類、畳などの植物由来製品を食べる。
  • 電線やコンクリートをかじって穴を開ける。
  • 家や周辺の木材に巣を作る。
  • 繁殖力が旺盛(巣の規模にもよるが1日数百個~数万個の卵が生まれる)

1-3.シロアリとアリの見分け方

シロアリもアリも、サイズはほとんど同じです。

そのため、見分けるためには「胴体の色」をよく観察する必要があります。

下記画像を見ていただくと明らかですが、シロアリは白い色(厳密に言うとスケルトンに近い)をしていて、アリは黒い色をしています。

胴体の色以外にも、シロアリとアリを見分ける方法があるので紹介します。

1-4.羽アリの見分け方

羽アリの大きな特徴は「羽」です。

そして、シロアリよりも羽アリの方が、胴体が一回りほど大きいのも特徴です。

シロアリは、日本だけに限らず世界各国で生息している昆虫で、非常に種類が多いです。

「1-1シロアリの種類」でも触れたように、種類によってとるべき対策は異なります。

ここで日本の住宅へ被害を及ぼす種類としては「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」「ダイコクシロアリ」の4種類が知られていますが、今回は代表的な3種類について羽アリの見分け方をご紹介します。

これらの羽アリを見分けるには「発生時期」「生息場所」「体の色」について知っておく必要があります。

2.シロアリの被害について

シロアリは柱や土台などの木材を食べますし、家中の至る場所へ入り込んで壁や新聞紙、ダンボールなどを食い荒らします

シロアリの生息に気が付いた頃にはすでに家中がボロボロになっていたというケースもよくあるので、早めに対処することが必要です。

住宅の耐震性が落ちたり、電気コードが使い物にならなくなったり、家具の裏側(見えない部分)に穴が空いてしまうなど、シロアリ被害は住環境を悪化させるでしょう。

ここでは、よくあるシロアリ被害についてご紹介します。

2-1.自分でできるシロアリ被害チェックリスト

<シロアリ被害の兆候>

  • 4月下旬~7月ごろに写真のような小さな羽が落ちている
  • 俵のような形の糞が落ちている
  • 壁際に木くずもしくは砂粒のようなものが落ちている
  • 土で作られたトンネルのようなものがある
  • 床や柱に小さい穴が開いている
  • 近所でシロアリの被害があった

上記のチェックリストに一つでも当てはまる場合、「シロアリ被害に遭う危険性」が非常に高いです。

シロアリを放っておけば、家の土台や柱を食害し、耐久性・耐震性を落とし、倒壊の原因にも繋がります。

早め早めの対応で長く住める家作りを目指しましょう。

チェックリストに当てはまらなくても「築年数が5年を経過している」という場合は、シロアリの点検をすることが望ましいでしょう。

2-2.シロアリの被害とは?

シロアリは家の土台や柱などを食べ荒らすことで、倒壊の危険性を高めます。

しかし主に床下を拠点に活動するため、シロアリ自体に気付かないというケースもあるでしょう。

そのため、下記のような症状がみられた場合にはシロアリ被害を疑いましょう。

 

<シロアリ被害による住まいの症状>

  • 床がギシギシと軋む、柔らかく沈む
  • 天井に雨染みの跡がある、雨漏りがする
  • 床や壁にカビが発生する

これらは、シロアリ被害の症状として多くの住宅で見られるものです。

このような住宅の異変を放っておくと環境はますます悪化し、さらに大量のシロアリを近付けてしまうことになりかねません。

手遅れになる前に被害の状況を確認してください。

場合によっては大規模な被害を受けている恐れもありますから、業者に依頼するのが望ましいでしょう。

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放っておくと――、

<シロアリ被害を放置した場合>

  • 修繕費用に多額の費用がかかる
  • 耐震性が落ちて倒壊の恐れが増す
  • 住宅が長持ちせず、最悪の場合は建て替えということも

――ということにもなりかねません。

シロアリ被害は、対策を行わないと深刻化する一方です。

対策が送れると、結果的にシロアリ駆除と住宅の修繕に多大な費用がかかるケースもあります。

住宅に違和感を覚えたら早い段階でシロアリが棲み着いていないかチェックしましょう。

2-2-1.シロアリ被害のデータ

シロアリは、一般的に土の中で生息するため、私たちが普段生活しているなかで目にする機会はほとんどありません。

シロアリ被害が目に見えないためか、積極的に予防や駆除をしないご家庭が多いようにも思います。

ここでは、データから見たシロアリ被害の確率やシロアリ被害に遭いやすい状況などについて紹介します。

実際に、シロアリ被害に遭う確率はどのくらいなのでしょうか?

平成24年に国交省の補助事業として、「全国シロアリ被害実態調査」が実施されました。

この調査は、ほぼすべての都道府県でランダムに選んだ7,000件を超える住宅の床下を調査したものです。

これらのデータから、シロアリ被害のリスクをある程度、客観的に推測することが出来ます。

まず築年数とシロアリ被害の関係です。

調査結果は、築年数が経つほど被害率は増加傾向にあることが分かり、築50年以上の住まいでは、約25%の住宅でシロアリ被害が見つかりました。

“築年数との関係では、A区分の建物は保証切れ後、経年とともに被害が右肩上がりに増大している。B区分の物件は、築年数 15 年未満の建物であれば被害発生率はほぼ 3%未満であるが、築年数が15 年以上になると被害発生率が 4~10%に上昇してくる。“

引用: 日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合

また一度シロアリ駆除を行っても、5年毎に点検・予防を行わないと、シロアリ被害に遭う確率が急増することが分かっています。

“蟻害は保証期限、すなわち薬剤効力の有効期限が切れた翌年から発生し始めているが、その発生率は保証満了からの経過年数が長くなるにつれて急増していくことが分かる。保証満了以後 10年も経過すれば、被害発生率は 20%近くに達し、さらに 10 年経過後には 30%近くに達している。”

引用: 日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合

シロアリ被害を受けやすい箇所についても、データを参考にしつつ対策を立てることが有効でしょう。

“蟻害箇所別の被害発生割合について

全体としては、床下が最も被害率が高く 64%、ついで玄関 13%余り、外周 8%となる。“

引用: 日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合

2-2-2.シロアリ被害に遭いやすい状況

シロアリは、どのような住宅でも同じように被害に遭うわけではありません。

まずはシロアリ被害に遭いやすい状況を確認しましょう。

  • 床下が低い

床下の空間が狭いと風の通りが悪くなります。

空気の動きを嫌うシロアリにとって、床下の低い住まいは絶好の隠れ家です。

建築基準法によると、地面から1階床面までの高さを40cm以上にすることが義務付けられています。

地面から大引きまで、つまり床下自体の高さが40cm以上あると望ましいでしょう。

  • 床下の換気口が少ない

建築基準法によると、5mごとに300平方cm以上の換気ロを設けることが定められています。

空気の流れを良くするためには1辺あたり2個以上の換気口が理想です。

  • 押入れがカビくさい

カビそのものがシロアリの発生と直接関係するわけではありませんが、カビの発生は湿気が多いことの証です。

カビが生えている家はシロアリを寄せつけてしまう危険性が高いといえます。

  • 雨漏りによって壁や床、柱に水が染みている

木材自体が水分を多く含んでいる家は、シロアリに狙われやすいです。

外壁のわずかなヒビから壁の中に水が入り込むことがあるでしょう。

室内に雨が入ってくるほどの欠陥はなくても注意が必要です。

  • 家の周囲に川や池、井戸などがある

土地の地下水位が高いということを表しています。

地盤自体に含まれる水分が多いため、床下の地表から上がってくる湿気も当然多いです。

  • 建物の周辺に廃材や家具が放置してある

木材が地べたに置いてあると、土の中のシロアリが外気に当たらずに木材へと直接辿り着くことが可能

シロアリの温床となる恐れがあります。

特に基礎の近くに廃材などを置くと、木材から基礎へ、基礎から構造部材へと侵入するため注意しましょう。

  • 枕木や木製の柵がエントランスなどに使われている

地面と木材が接しているため、シロアリが近寄りやすいです。

エントランスに木製の柵を立てていたり、玄関へ続くアプローチに敷石のような感覚で枕木を敷いている家は注意が必要です。

  • 狭い庭にたくさんの植木や鉢植えがある

「なんとなく鬱蒼としている」という状態はシロアリを招きやすくします。

家の壁の2、3m先に垣根や支柱があったり、壁際に鉢植えがいくつも並んでいる場合は水あげの際に建物周りの土中の水分が多くなってしまうため注意しましょう。

3.シロアリ被害の原因

シロアリ被害の原因は、住宅の構造や築年数、環境などが影響します。

そのため「新築だから安心」「リフォームしたばかりだから大丈夫」と思い込むのは危険です。

今一度ご自身の住宅がシロアリによる被害を受けやすいかどうか、しっかり確認しておきましょう。

3-1.シロアリ被害に遭いやすい家とは?

シロアリ被害に遭いやすい家の造りはやはり「木造住宅」です。

しかし誤解が多いのが、木造住宅だけが被害に遭い、その他の造り(鉄骨造、鉄筋コンクリート造)なら大丈夫だという思い込みです。

シロアリは木材を食べるだけでなく、コンクリートなどをかじる習性もあります。

そのため、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリートの住宅等でも被害に遭うリスクは木造住宅とそれほど変わりません。

また、シロアリ被害に遭いやすい家の特徴として「築年数」だけを強調する業者が多いと思います。

たしかに「築5年を経過した木造住宅」はシロアリ被害に遭いやすいため、この築年数を目安に住宅のメンテナンスおよびシロアリ駆除を実施する事は良いことです。

しかし、「築年数」ばかりに固執してはいけません。

住宅の「構造」に目を向けてみましょう。

「ベタ基礎構造の住宅」と「布基礎構造の住宅」でシロアリ被害率が異なることをご存知でしょうか?

国土交通省補助事業「シロアリ被害実態調査報告書」によると、基礎構造別蟻害発生率(シロアリ対策をしていない住宅の場合)は、「布基礎+土壌」「布基礎+土間コンクリート」「布基礎+シート」「ベタ基礎」の順でシロアリ被害の発生率が高いと公表しています(平成25年度版)。

布基礎構造の住宅は、「床下が囲まれている」「通風が悪い」「床下が低い」「地盤からの湿気が多い」「木材に米松を使用」等、このような条件を満たしていると非常に危険です。

他に「水回りの構造」や「床下の高さ」、「通風の良し悪し」など様々な条件が合わさることでシロアリ被害に遭うリスクが高くなります。

しかし、昔ながらの古民家造りの建物では、「玉石基礎」「高い床下」「クリの土台」など、シロアリの嫌う環境の場合が多いため、シロアリ被害の発生率は低いです。

さきほど、「2-2-2.シロアリ被害に遭いやすい状況」でも説明しましたが――、

  • 床下が低い(地面から大引まで40cm以下)
  • 床下の換気口が少ない
  • 住まいの周囲に川や池、井戸などがある
  • 住まいの周囲に廃材や家具を放置している
  • 枕木や柵を置いている

住まいが上記のような環境であれば、シロアリ被害に遭う危険性が高いため予防や駆除などの対策をしましょう。

3-2.シロアリ被害に遭いやすい土地とは?

家の構造や築年数と併せて確認していただきたいのが土地です。

元々、湿地帯だった場所に住宅を建てていたり、家の周囲に池や田んぼがある場合は注意しましょう。

たとえば――、

  • 日光が当たりにくい
  • 風通しが悪い
  • 暖かくて湿気が多い

など

このような環境は、シロアリが棲み着きやすい土地です

シロアリは体が柔らかいため、外気や光に当たりすぎると体が乾燥して死んでしまいます。

そのため、「光が当たらない」「空気の動きが少ない」「湿気の多い」等を含んだ土地を好む傾向があります。

3-3.シロアリの被害に遭いやすい習慣とは?

生活している中で、以下の項目に心当たりのある方は、シロアリ被害に遭う危険性を高めているので注意しましょう。

  • 水廻りの掃除ができていない
  • 玄関のタイル面をよく水洗いしている
  • 壁や床・天井の雨漏り箇所を放置している
  • 定期的に押入れの換気をしていない
  • 住宅周りに不要な木材を置きっぱなしにしている
  • 庭にある木や柵のメンテナンスができていない

――意外に思われるかも知れませんが、庭の柵や切り株などは、シロアリの巣(コロニー)がよく発見されます。

家の中だけでなく、周囲にも注意が必要です。

4.シロアリの予防方法

一般的にシロアリは「駆除」するイメージが強いですが、被害に遭う前に「予防」することもできます。

シロアリ予防のメリットは何と言っても“シロアリを棲み着かせない”、“家に近寄らせない”点です。

家に近づけなければ、柱や土台などを食い荒らされる心配もありません。

シロアリによって耐久性・耐震性が落ちる不安もありません。

ここではシロアリの予防方法についてご紹介します。

4-1.シロアリの基本的な予防方法

  • 家に湿気を溜めない

シロアリは湿気の多い環境を好んで棲み着く習性があります。

そのため、家に湿気を溜めないことがシロアリの予防の基本中の基本です。

たとえば、掃除をする時などには全ての窓を開けて風通しをすると良いでしょう。

  • 家の周囲にある木材を処分する

家の周囲や庭に不要な木材が置いてある場合は処分しましょう。

なぜならその木材がシロアリの温床となり、巣を作る危険があるからです。

特に雨が続いた後の木材は湿気を含んでいるため、シロアリにとって絶好のエサとなります。

4-2.点検のタイミング

先ほども言いましたが、シロアリの生息を確認するタイミングの目安は、家を建ててから5年目です。

新築時は、防蟻薬剤が散布されているためシロアリ被害に遭う心配はほとんどありません。

しかし薬剤の効果は約5年で薄まります。

築5年を目安にシロアリ点検をすることをお忘れなく。

5.自分でできるシロアリ駆除の方法

シロアリの駆除は、被害が非常に小さい場合には自分で行うことができる場合もあります。

※ただし、自分で駆除をしても根絶させることはほぼ不可能です。

あくまで応急処置だということに留意してください。

最近ではホームセンターやインターネット通販で、専用のキットを手軽に購入することも可能です。

「お金をかけずにシロアリを駆除したい」「自分の家のことは自分で何とかしたい」という方は、ぜひご参考にしてください。

5-1.シロアリ駆除の一般的な方法

自分でシロアリ駆除を行う場合、シロアリ駆除の専用キットをホームセンターや通販で購入するのが一般的です。

この専用キットに付いている薬剤は、業者が取り扱うものに比べて性能は劣りますが、ある程度はシロアリを駆除することが可能です。

ちなみに、シロアリは主に床下へ棲み着くことが多いので、シロアリ駆除をする際には床下へ重点的に薬剤を散布しましょう。

シロアリ駆除用のキットによっては、基礎コンクリートや柱、壁などに薬剤を散布するタイプもあるので、取扱説明書をよく読み、指示通りに作業しましょう。

5-2.シロアリ駆除剤について

  • ホウ酸

ホウ酸は、シロアリ駆除には向いていません。

「ホウ酸ダンゴ」を使ったゴキブリ駆除がよく知られているので、シロアリでもホウ酸が通用すると誤った理解をされている方もいらっしゃいますが、ホウ酸はあくまで木材の保存用として「予防処理」に用いられている薬剤です。

防虫・防腐に対しては効果がありますが、シロアリ駆除には向いていないのです。

実際にシロアリ駆除の業者が使用している薬剤、「タケロック」「ハチクサン」「コシイアリピレス乳剤」についてご紹介します。

  • タケロック・ハチクサン(成分名:クロチアニジン、イミダクロプリド)

これらの薬剤は、ほぼ同じ系統で 非忌避性質、遅効性、伝播性の薬剤です。
薬剤の特徴として――

  • シロアリが薬剤に触れても効き目が出るまでに時間がかかる。
  • 薬剤に触れたシロアリが巣に帰る、仲間と接触することで巣全体に効果が広がる。
  • やがてシロアリの巣ごと機能しなくなる

――このような特徴から予防よりもシロアリ駆除に向いていると言えます。

  • コシイアリピレス乳剤(成分名:ビフェントリン)

この薬剤は、忌避性があり、即効性の薬剤です。薬剤の特徴として――

  • シロアリはこの薬剤の存在に気付くと近寄らなくなる
  • 薬剤に触れてしまうとコロリと死んでしまう
  • 仲間のシロアリが警戒して薬剤に近寄らなくなる

――このような特徴から、シロアリ駆除よりもどちらかと言うと予防に向いています。

5-3.シロアリ駆除は床下で行う

このようにシロアリ駆除は専用のキットがあれば自分で作業していただくこともできます。

シロアリは主に床下に生息して、柱や土台などの木材を食べ荒らしているため、シロアリを駆除するためには床下へ潜って薬剤を散布するしかありません。

普段、なかなか潜る機会のない床下で長時間作業するのはかなり厳しい作業なので、しっかり心の準備をしてから行ってください。

床下の高さ次第では思うように身動きがとれない恐れがありますし、腰や背中を痛める危険もあります。

健康に自身の無い方は無理をしてはいけません。

また、床下にはシロアリだけが生息しているわけではありません。

ムカデやクモ、ゴキブリやネズミ、ヘビといった害虫・害獣も棲み着いていることがあるので、十分ご注意を。

5-4.自分でシロアリ駆除をしたあとに

自分で駆除した後も、シロアリ被害を完全に防げるとは限りません。

むしろそれで安心してしまうと、被害を拡大させることにもつながります。

できるだけ早い段階で、信頼できるシロアリ駆除業者に専門的な駆除をお願いしましょう。

6.シロアリ駆除を業者に任せる時の注意点

自分でシロアリ駆除を行うことも出来ますが、その場しのぎの対策となってしまっては意味がありません。

シロアリを根本から退治したいと考えている方は、シロアリ駆除の専門業者に依頼するのが良いでしょう。

しかし、“シロアリ駆除業者”と聞くとあまり良いイメージがありませんよね。

そこでシロアリ駆除を業者に任せる時の注意点についてご紹介します。

6-1.シロアリ駆除費用の相場とは

シロアリ駆除に関する費用は一般的に坪単価で計算されます。

目安として7,000~9,000円前後が相場です。

そのため、極端にこの価格と外れている場合は「怪しい」と思いましょう。

ただし、価格だけを重視してシロアリ駆除の業者を決めても失敗する可能性があります。

シロアリ駆除がきちんと行えるかどうかは、価格だけではなくサービス内容や、実績などをよく見て決めましょう。

特にアフターフォローや保証がシッカリとしている会社なら、安心して任せられます。

6-2.シロアリ駆除の工法

  • 一般的な薬剤の工法

すでに棲み着いているシロアリに対して、柱や土台・土壌などに薬剤を散布する方法です。

バリア工法とも呼ばれます。

被害の状況によっては、木材にドリルで穴を開けてシロアリ駆除の薬剤を注入するケースもあります。

薬剤を散布するこの工法は、すぐにシロアリ駆除の効果を実感していただくことができる工法です。

  • ベイト工法

ベイト工法とは、遅効性の薬剤を詰めた専用の筒を庭へ埋め込み、シロアリを駆除する方法です。

この遅効性の薬剤をエサだと勘違いしたシロアリが巣に持ち帰ることで、巣ごと根絶やしにすることが可能です。

シロアリを完全に壊滅させることが出来ますが、効果がでるまでに3~4ヶ月ほどかかります。

6-3.後悔しないシロアリ駆除業者の選び方

シロアリ駆除の業者を選ぶ上で「何を重視したら良いのか分からない」という方は、下記の項目をぜひ参考にしてください。

  • ちゃんと説明してくれるか

シロアリ被害の現状はもちろん、駆除工事の内容、その後のフォローについてきちんと説明してくれる業者を選びましょう。

不明点や疑問点に対して、理解できるまで丁寧に説明してくれる業者なら大丈夫。

そのようなシロアリ駆除を依頼すると、後悔しないで済むでしょう。

  • アフターフォローは万全か

シロアリ駆除に使う薬剤の効果は、およそ5年でなくなります。

しかし5年後にシロアリ駆除のタイミングを覚えている方は少ないでしょう。

そういったタイミングで、きちんと再点検の通知をしてくれると便利です。アフターフォローも、重要な業者選びのポイントです。

  • 無理な営業をしてこないか

シロアリ駆除を行う前には、床下をはじめとして家全体の点検が行われます。

点検の結果、必要のないオプションを勧めてくるような業者は、あまりオススメしません。

たとえばシロアリ駆除以外にも「換気扇を付けましょう」「炭をまきましょう」「耐震補強が必要です」等と提案してきた時に、なぜ必要なのか、理由をちゃんと説明してもらうことが重要です。

納得できた場合のみ応じる、という姿勢を持ちましょう。

6-4.訪問販売には要注意!

シロアリ業者の中には、ある日突然、訪問営業をしにくることがあり「今すぐ工事しないと家がシロアリに食われてしまいますよ」等と言って強引に工事を迫る悪質業者もいます。

訪問販売の全てが悪いというわけではありませんが、質の悪いサービスを高額で売りつける業者が存在するのも事実です。

たとえば「無料で床下の調査をしているのですが、いかがでしょうか?」「この地域限定で床下調査をしています」などや、本来の目的(質の悪いサービスの提供)を切り出す前の準備として無料調査を提案してくるケースもよくあります。

また調査の結果、やみくもに「工事が必要」「床下に換気扇をつけましょう」と強く勧めてくる場合もあります。

とにかく契約を取らせるために不安を煽ったり、専門用語を並べてきたりします。

すぐに判断が出来ない場合は一度帰ってもらい、シロアリ駆除の相場を調べて比較したり、他のシロアリ駆除業者にセカンド・オピニオンを頼むなどして、悪質業者に引っかからないように注意しましょう。

まとめ

ここまでひと通りシロアリ駆除の流れや重要なポイントを見てきましたが、いかがだったでしょうか?

大事なのは、シロアリを見つけたとしても慌てずに“シロアリ被害の状況”を確認することです。

ただし、住まいから根絶出来なければ、シロアリの被害は悪化する一方です。

お金や時間の無駄遣いにもなりかねません。

シロアリを家から根絶したいと考えているなら、やはりシロアリ駆除の業者に依頼するのが1番です。

今やシロアリ駆除は、「出てから駆除」から「出る前に予防」が主流です。

そして専門的に取り組んでいる業者の中には、駆除と予防を同時に行う「防除」を行っている会社も増えてきています。

ここで紹介した情報を参考にして、賢いシロアリ駆除を実践しましょう!

シロアリ駆除を考えている方はこちらからご相談ください。

 

外壁に関しては、こちらの記事もご覧下さい。

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