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外壁塗装の下地処理とは、破損した部位を補修したり、塗装が剥がれないように外壁の表面を削ったりする工程です。
下地処理を行わなければ外壁塗装は短期間で剥がれてしまうでしょう。
では、外壁塗装の下地処理はどのように行うのでしょうか?
この記事では、以下の点を具体的に紹介します。
- 外壁塗装における下地処理の必要性
- 外壁塗装で下地処理をしないと起こる問題
- 外壁塗装における下地処理の種類
具体的な下地処理の方法を知ることで悪徳業者に騙される危険性を減らすことができるでしょう。
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外壁塗装で下地処理がなぜ必要なのか?
外壁塗装で下地処理が必要な理由は「塗料を密着させて塗膜の寿命を伸ばすため」です。
塗膜とは、塗料を塗って乾燥した塗装面を指します。
塗料には下塗り、中塗り、上塗りの3種類があります。
外壁の素地と下塗りが密着するかどうかで塗料の剥がれやすさや寿命が決まるのです。
外壁の表面は基本的に汚れなどをはじく性質があり、塗料であっても例外ではなく、下地処理をしないで塗装をするとはじかれてしまいます。
下地処理をすると外壁表面に弾かれることなく塗装が定着するでしょう。
下地処理には「補修」も含まれます。
外壁は年月が経つと劣化していき、ひび割れや破損が発生します。
ひび割れなどを補修する目的も下地処理の重要な役割です。
外壁塗装で下地処理を行わないと起こる問題
外壁塗装で下地処理を行わないとさまざまな問題が起こります。
下地処理をしない場合に起こる主な問題は以下の3つです。
- 塗装が剥がれる
- 錆びやすくなる
- 塗料がはじかれる
それぞれどのような現象なのでしょうか。
塗装が剥がれる
下地処理を行わないと塗装が剥がれやすくなります。
耐用年数(次の塗装を行うまでの期間)が10年の塗料でも、下地処理をしなければ5年で剥がれるでしょう。
塗装が密着するためには古い塗料の表面をキレイにしなくてはいけません。
外壁の表面に汚れや異物がついていると、下塗りの際に隙間が生まれて塗料がはがれてしまいます。
金属部の場合は、古い塗料によって新しい塗装が剥がれないよう、外壁の表面をサンドペーパーで削る作業もあります。
塗料には、平らな面よりも細かいギザギザがある素地のほうが密着しやすい性質があります。
下地処理は外壁塗装の寿命を延ばすために欠かせない作業です。
下地処理が不要と語る業者がいたら工事を依頼しないよう注意しましょう。
錆びやすくなる
外壁の金属部は下地調整を行わないと錆びやすくなります。
金属の下地調整では錆を完全に取り除き、錆止めを塗らなくてはいけません。
下地調整は非常に手間がかかる作業ですが手抜きをすると外壁塗装の耐用年数に大きく影響します。
塗料がはじかれる
外壁には汚れやホコリが付着しています。
下地処理を十分に行わないと、新しい塗料が付着不良を起こして仕上がりにムラができるでしょう。
また、古い塗装に新しい塗料がはじかれて十分に密着せず、耐用年数が短くなります。
外壁塗装における下地処理の種類
外壁塗装の下地処理は、外壁に使っている素材の種類によって異なります。
ここでは、
- モルタル外壁
- サイディング外壁
- 鉄部
- 木部
の4種類における下地処理の方法を紹介します。
モルタルの場合
洗浄や下塗りを含めた下地調整の方法は、以下のようになります。
- 高圧洗浄
- ケレン
- 補修
- シーリング処理
- シーラー、フィラーの下塗り
高圧洗浄
「高圧洗浄」とは、高圧力の水によって外壁を洗浄する作業です。
外壁の汚れを取り除いて塗料の密着性を高めます。
ケレン
出典:建築用語集
「ケレン」とは、剥がれかけている古い塗装を剥がす作業です。
革すきというヘラや、スクレーパーという塗料を剥がすための道具を使うこともあります。
剥がれかけている古い塗膜の上に新しく塗装をしてしまうと短期間で剥がれてしまいます。
このため、古い塗装を十分に剥がす下地処理が欠かせません。
補修
「補修」は「ケレン」と同時に行うことが多く、ひび割れや外壁の破損をコーキングやモルタルによって穴埋めする作業です。
補修をしない場合、塗装をしても雨や虫が侵入するおそれがあります。
シーリング処理
出典:有限会社 ナカヤマ彩工
「シーリング処理」とは外壁の目地などをシーリング素材で埋める作業です。
シーリング素材とはゴム状の物質で、目地やひび割れの穴埋めに使います。
シーリング処理は補修と同時に行われることが多いです。
モルタル外壁におけるシーリングの利用場所は、サッシ周りや換気口の周辺などがあります。
シーリングはコーキングと同じ素材を使います。
両者に大きな違いはありませんが、目地のように大きな隙間を埋める場合は「シーリング」、ひび割れなど細部の補修に使うのは「コーキング」だと考えられています。
補修では古いシーリングを剥がして埋め直す作業があります。
古いシーリングは塗装と同じくひび割れや剥離が起こりやすいため、補修をしないで新しく塗装をするとすぐ劣化するでしょう。
シーラー、フィラーの下塗り
「シーラー、フィラーの下塗り」とは、ケレンや補修を行った素地(塗装前の外壁)に下塗りをすることです。
シーラーとは、仕上げ塗料と外壁を密着させるために必要な下塗り材です。
仕上げ塗料を素地に直接塗ってしまうと、外壁に塗料が吸い込まれて施工不良を引き起こします。
それを避けるために、先にシーラーを外壁に吸い込ませるのです。
そのため粘り気がない水のような材料が多いです。
フィラーも下塗り材ですが、主にコンクリートなどで小さな穴やひび割れを埋めるために使います。
フィラーはシーラーと違ってセメントを使った厚みのある下塗り材が多いです。
凹凸がある面を平らにする目的などで利用します。
サイディングの場合
出典:外壁塗装ネット
サイディング外壁の下地処理は基本的にモルタルと同じです。
しかし、サイディングには目地補修作業があります。
サイディング外壁は、多数の板を張り合わせて成り立っています。
板同士の隙間には目地という隙間があり、放置すると雨や虫が侵入してしまうでしょう。
サイディング外壁では隙間を埋めるためにシーリングを充填します。
シーリング部は年月とともに劣化するため、外壁塗装をする際には一緒に補修しなくてはいけません。
鉄部の場合
出典:セイケン塗装
鉄部(金属部)の下地調整はモルタルやサイディング外壁とはやや異なります。
- ケレン
- 補修
- 錆止め塗装
鉄部の塗装はケレンが重要です。
金属製の外壁は高圧洗浄をすると錆びてしまうため手作業で古い塗装や汚れを取り除きます。
革すきやサンドペーパーで古い塗膜を剥がしていき、コーキングやパテで補修をした後に錆止め塗装をします。
錆止めとは鉄部が錆びにくいように処理する下塗り塗装です。
モルタルやサイディングにおけるシーラーやフィラーの役割を担っています。
木部の場合
外壁の木部(木製部分)は鉄部同様に水で濡らすと劣化しやすくなるため、ケレンから始めることが多いです。
下塗りの前にサンドペーパーで剥がれやすい古い塗装を削ってから行います。
木部の塗装はサイディングやモルタル外壁とは別の塗料を使います。
このため下塗りはシーラーやフィラーではなく、「セラックニス」のような専用塗料を使います。
まとめ
外壁塗装において下地処理は必須です。
下地処理を行わなければ新しい塗料は剥がれやすくなるでしょう。
もし、下地処理を行わない業者がいたら悪徳会社の可能性が高いため依頼してはいけません。
下地処理には高圧洗浄、ケレン、補修、下塗りなどがあります。
外壁の素材によって対処方法が異なるでしょう。
下地処理が不十分だと雨漏りや隙間風の問題を引き起こします。
下地処理を丁寧にやってくれる業者を見積り段階から厳選して後悔しないようにしましょう。
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