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大引とは、1階部分の床を支えるための重要な部材です。基礎と共に床の重量をしっかりと受け止める役目を果たしているため、9センチ角以上の湿気に強い丈夫な木材を使用するのが一般的です。廊下、押入れ、縁側といったスパン(長さ)のない特殊な場所を除き、この大引は必須のものです。(※写真で言うと、地面から上に短く多数配置されているのが「束」、その上に横に等間隔に配置された太い四角の木材が「大引き」です。)
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1階の床部分を分析してみると…
住宅の1階部分、床下はどのような構造になっているのでしょうか。日ごろ家具や人の行き来の重量を支える床板、それをを30センチ~40センチ間隔で支える根太(ねだ)、そしてその複数の根太を受け止める太い大引(おおびき)、そしてその大引と基礎の間に設置する床束(ゆかづか)、地面からの立ち上がりを確保する基礎と大まかに5層構造になっています。
大引と根太は垂直方向に張られ、床材を”もれなく”がっちりと支持します。この支えがあってこそ、足元のふわふわしないしっかりとした床面が完成するのです。床板に充分な厚みをもたせる場合は、直接大引に床板を張ることもあります。
床下に位置することによる注意点
床材の下には床板を張りますが、大引はこの床板と基礎との間に位置することから、固く湿気に強い木材を使用する必要があります。湿気のあるところでは、木材の腐食菌がこの大事な支えを傷めることがあるからです。具体的には、ヒバやスギ、ヒノキ、ベイツガが適していると言われています。
最近建てられた家を観察すると解る事ですが、昔の家でよく見た床下換気口が見当たらないものが多いはずです。このような家では、これらの床下の木材を守るための換気対策はどう行っているのでしょうか。
基礎も、布基礎(柱や土台の入る部分に基礎のコンクリートを打つ)からベタ基礎(家が建つ部分全てにコンクリートを打つ)に変わってきていることが挙げられます。ベタ基礎を採用した場合、基礎の立ち上がり上部と土台木材の間にゴムパッキンを据え、目に見えない隙間を多数設けることで自然通気による換気をしているのです。
家を支える大引のような木材を守るために、このような工夫がなされています。
根太レス工法の普及―大引と床板の強度が問われる
最近では、大引と床板の間に設置する根太を省く「根太レス工法」と呼ばれるものも普及しています。床板にかかる荷重を均しながら大引に伝える根太を無くすためには、床板を厚み24ミリ以上の構造用合板にしなければなりません。
根太レス工法はあっても、大引を無くすことは基本的には行いません。それだけ、1階部分の床をきっちりと支えるために必要不可欠なのが大引なのです。
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