中古住宅を購入するには?流れや注意点、お金まわりを理解

中古住宅を購入するには?流れや注意点、お金まわりを理解【専門家監修】 リフォーム・リノベーション

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※この記事は「住宅研究社様」による専門家監修記事です

今、中古住宅の購入が注目を集めています。「憧れのエリアに家を持てる」「好きにリフォームやDIYができる」という理由から、若い方を中心に広く関心を持たれているのです。もしも家を持つという目的に「中古住宅を購入する」ことが入ってくれば、視野がぐんと広がるはずです。

中古住宅を購入することのメリット、考えられるリフォームポイント、失敗談などから、中古住宅とお金の関係を解説します。

本文に入る前に、この記事を読んでいるあなたへとっておきの情報をお伝えします♪
 

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1.中古住宅のメリット3

中古住宅を購入することは、さまざまな面でメリットをもたらしてくれます。代表的なものは以下のとおりです。

1-1.憧れていたあのエリアに家を持てる!

憧れていたあのエリアに家を持てる!

都市部であっても、地方都市であっても、「あそこに住んでみたい」という憧れのエリアがあることでしょう。そのような場所は土地も高い上、すでに家が建て込んでいて土地(更地)を見つけることが難しいものです。

新築の家という「しばり」を外すと、案外安く土地と家を購入することができます。これが中古の家の最大のメリットでしょう。

1-2.低コストで「好きな家」に仕立てられる

新築(特に注文住宅)で好みの家を作るのは、いわゆる「王道」かもしれません。しかしながら、間取りの問題さえなければ、壁紙を変える・柱を塗料で塗るなど比較的安価な方法で好みのイメージを作ることもできます。

家というものは、「3棟目でやっと納得いくものになる」とまでいわれるものです。さすがに3棟建てる方はなかなかいらっしゃいませんので、少しの不便は覚悟して、既に建っている家を購入するのもひとつの方法です。

1-3.環境にやさしい

環境にやさしい

平均的な2階建ての木造住宅を解体すると、4トントラックで8~10台分のゴミが出ます。これらは産業廃棄物として処理されますが、中にはまだまだ使えるものもあったはずです。

エコロジー・エコノミーを意識する方にとって、これはとてももったいないことです。自分たちで手を入れて十分住めると判断できれば、安く、環境によい家を手に入れることができます。

今から30~40年前の建築ブームの頃は、「建てれば売れる」時代でした。意外に感じられるかもしれませんが、解体を依頼された家の構造材を見ると、どれも立派なのです。構架材の梁を例に挙げると、建築基準法以上の寸法で仕上げてあることが多く、接続部は匠大工のノミで彫り刻んであるので30年後の解体時に見ても狂いが発生しておらず、驚くものも少なくありません。筆者も解体の手を休めてしばし眺めるときもあるほどでした。今でも、さらに30~50年長持ちする中古住宅があります。問題は購入者が構造材まで目が届くかどうかにあります。

格安で最良の物件を購入するには、信頼できる不動産業者に、希望の地域内にある「リノベーション前の物件」を探してもらうことです。人生で1度か2度しかない高額の買い物ですから、慎重に考えましょう。衝動的に住まいを購入すると、デメリットが後に発生してきます。

2.中古住宅を購入しリフォームを行う流れ

中古住宅を購入し、リフォームをして住もうとお考えの方は、以下の点に注意をして家を入手して手を入れてください。思わぬトラブルを避けるためにも重要なポイントです。

2-1.生活をイメージできるまで写真や間取り図を見る・内覧する

生活をイメージできるまで写真や間取り図を見る・内覧する

手を入れて住むにしても、間取りがご家族の暮らしにマッチしていなければその家を購入する意味はありません。

これを避けるために、不動産会社から提供される写真や間取り図をよくよく見てください。そして購入の可能性が見えてきたら、内覧を依頼してください。売主がまだ住んでいることもありますが、それもまた生活の仕方を垣間見ることができて良いものです。

2-2.各種検査を受ける

一番大事な箇所、つまり構造に関して見ないで買うリノベーション物件には一抹の不安があります。その家が地震に耐えうるのか、木材が傷んではいないかなど、第三者機関に検査を依頼します。2016年には、中古住宅販売を仲介する業者が契約時に売り手・買い手双方に住宅診断を実施するか確認することが義務化されました。費用についてはどちらが持つのかまでは定められてはいませんので、双方で相談をしなければなりません。

しかしながら、この第三者機関による調査結果が良好であれば、「既存住宅売買瑕疵担保」に加入することがでます。

既存住宅売買瑕疵保険には、売り主が不動産業者である場合と、個人間売買の場合があります。保証期間は5年ないしは2年です。ただし、保険があるからと安心しないで下さい。保証期間終了直後に雨漏りが発生する場合があります。賢い消費者となるには、保証期限の1年前から念入りに点検を始めることで、保険会社と関係のない第三者に定期点検を依頼するのが望ましいです。

2-3.リフォームに耐えうるかどうかを専門家に相談

リフォームに耐えうるかどうかを専門家に相談

壁紙の張替えや柱の色塗りなど軽微な手直しで住むのであれば問題はありませんが、一部の壁を取り払い部屋を広くしたいといった大掛かりなリフォームを希望するケースもあるでしょう。そのような場合は、大規模リフォームに耐えられるかどうか、壁を取り払うとしたらどこならよいのかを、リフォームに慣れた建築士や工務店に相談しなければなりません。

無理な大規模リフォームは、家の強度(耐力)を落としてしまうことにつながり、危険な家となってしまいます。

このような時のためにも、中古住宅購入時に「しがらみ」の無い第三者を相談者として決めておくと、「補強梁を入れる事でリフォームが可能だ」などとアドバイスを受けることができます。

3.中古住宅購入の失敗談から学ぶ注意点3

中古住宅購入にはメリットもありますが、何分「中古」であるだけに不安も付きまといます。実際の失敗談から学んでいきましょう。

3-1.神奈川県Aさん「リフォーム後の家を買ったのに、寒かった」

神奈川県Aさん「リフォーム後の家を買ったのに、寒かった」

気に入ったエリアに、既に思い描いていた間取りの家を見つけたAさん。外壁や水周りなども既にリフォームされていて、「見た目はかなりの築浅」と喜んで購入しました。しかしながら実際の築年数は20年近く。断熱性能がよくないばかりに、夏冬の光熱費が跳ね上がってしまいました。

リノベーションをする前に、性能の落ちた断熱材の交換、断熱材が無い部分には新たに断熱材を入れることはとても重要です。

3-2.埼玉県Bさん「築浅なのに床板がきしむ」

埼玉県Bさん「築浅なのに床板がきしむ」

築年数5年と、比較的新しくきれいな家を探し当てたBさん。リタイア後にゆったり暮らすための夫婦二人の住居として購入しました。見た目のイメージは壁紙張替えやインテリア程度で好みに近づけられると喜んでいましたが、住みはじめてすぐに床が浮いてきしみ音がするのに気づきました。

よくよく考えると、その土地は盆地で湿気の多い場所でした。その上、家が建ってからすぐにその家は売りに出され、その間誰もその家にはいませんでした。つまり、通気などのケアが行われていなかったのです。結果的にBさんは床下など大掛かりなリフォームを行わなければならなくなりました。

購入する前には、床下に潜って湿度や土台・柱の劣化度を調べる必要があります。

3-3.東京都Cさん「大規模リフォームできない家」

東京都Cさん「大規模リフォームできない家」

通勤や通学、生活に必要な施設へのアクセスがとても便利な場所に手ごろな中古住宅を見つけたCさん。多少混み入った住宅街の風情も好みで購入することにしました。さて、いよいよリフォームを、といった段階で、「再建築不可」の土地であったことを理解しました。

不動産業者からは聞いてはいたものの、そのときはレトロな雰囲気の家が気に入っており、大規模リフォームなど思ってもいませんでしたのでほとんど理解せずに購入したのです。実際に手を入れようにも、建築確認を取り付けることはできません。工事をしようにも、入り組んだ住宅街であるために、工事用の軽トラックをつけるのが精一杯で期間・費用も膨大になりそうで、そのまま暮らしています。

不動産業者の物件説明書には重要告知事項の記載箇所があります。今までは口答で一方的に流し読みすればそれでよかったのですが、宅建主任者から宅建士と呼称が上がるなど、法的な面で変化が起こりました。来年(2018年)から重要箇所の「記載」が義務化されました。

4.中古住宅購入にあたっての諸費用内訳

中古住宅購入にあたっての諸費用内訳

中古住宅を購入する際、必要なお金は「土地+家」の値段だけではありません。諸費用と呼ばれる必要経費を抑えておきましょう。例として、土地と建物で3,000万円の物件でご説明します。

4-1.手付金―売買価格の10%、300万円

手付金は、購入金額の一部に繰り入れられるお金です。契約が成立したことの意味を持っていますので、本当にその土地と家を購入する決意をしたときに用意します。3,000万円の不動産であれば、300万円を用意するのが一般的です。もしも買い手が契約解除を申し出れば全額を放棄(返ってこない)、売り手が契約解除するときは支払った手付金の2倍を買い手に支払うのが慣例となっています。

4-2.仲介手数料―最大でも売買価格の3%+消費税、151,200円

不動産業者に仲介してもらった不動産には、仲介手数料を支払う必要があります。これは最大の金額がさだめられていて、200万円までなら5%、400万円までなら4%、400万円以上の物件なら3%と法で定められています。これに消費税が加算されますので、3,000万円の物件ならば151,200円となります。

簡易的に計算するなら、

  • 売買価格×3%+6万円+消費税

に当てはめると概ねの金額を導くことができます。

4-3.登記費用―約35万円

所有権移転登記費用、ローンを利用するときの抵当権設定費用など、登録免許税+司法書士手数料も必要です。3,000万円の中古物件の場合、概ね35万円ほどかかります。

自分で行うこともできますが、知識と時間が求められるので、やはり専門家に任せたほうがスムーズにいきます。

4-4.固定資産税精算金―物件の金額や清算時期により

毎年自治体に支払う固定資産税ですが、引渡しの時期によっては、売主との間で清算行為をしなければならないことがあります。

5.中古住宅の購入に補助金はある?

中古住宅の購入に補助金はある?

中古住宅を購入する際に活用できる補助金もあります。それぞれ条件が異なりますので、各サイトを随時チェックしてください。

※いずれも2017年4月に公表されている情報です。

5-1.良質な既存住宅の購入―最大65万円

40歳未満の方が自宅として中古住宅を購入するとき、その家のエコリフォームや耐震改修に最大で65万円の補助が受けられます。手続きはこの事業への登録時業者(不動産業者など)が行ってくれます(良質な既存住宅の購入│住宅ストック循環支援事業事務局)。

5-2.住宅のエコリフォーム―最大45万円

上記の「良質な既存住宅の購入」条件から「40歳未満」と「購入」条件が取れたものが、この住宅のエコリフォームです。既に中古住宅を購入した方が、エコリフォームや耐震改修をするとき、最大で45万円の補助が受けられます(住宅のエコリフォーム│住宅ストック循環支援事業事務局)。

5-3.すまい給付金―最大30万円

消費税引き上げによる住宅購入の負担を軽減するために作られた制度で、消費税が8%の今は最大で30万円、10%となれば最大50万円給付されます。世帯収入が510万円以下であること(消費税10%のときは775万円以下)が条件ですが、中古住宅を購入しすぐに申請でき、お金の受け取りも約カ月とスピーディーなのが特徴です(すまい給付金│国土交通省)。

6.中古住宅を購入したら確定申告は必要?

新築住宅取得と同様、中古住宅を購入したときも確定申告が必要なケースは多くあります。

6-1.住宅ローンを利用しているとき

自分の名義で購入し、自分で住む家をローン利用で購入したときは、確定申告を行うことで住宅ローン減税の対象となることがあります。

  • 築年数20年以下であること(マンションなど耐火建築物の場合は25年以下)
  • 耐震基準適合証明書(等級1~3)を準備できること、もしくは既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が結ばれている家であること
  • 購入してから6ヶ月以内に住み始めていること

などの条件を満たせれば、住宅ローン減税をうけることができますので、確定申告を行います。

6-2.リフォーム減税を受けたいとき

中古住宅を購入し、バリアフリーリフォームをしたときに受けられる減税制度があります。住宅ローンを利用していなくても、投資型減税として工事費用の10%・最大20万円が1年間控除されます。

  • 50歳以上である
  • 要介護や要支援認定を受けている
  • 障害者認定を受けている
  • 65歳以上であり、上の2つのいずれかの状態である
  • 他の補助金を差し引いた金額が50万円を超えること

確定申告以外にも、工事完了後3カ月以内に市町村へ申告すれば、固定資産税の減額も受けられますので手続きに行きましょう。

購入者は、国の支援金と併せて、自ら地方自治体(市区町村)に電話をしてください。各種支援金の制度には予算限定のものもあり、「今年度は終了しました」と言われる事もあります。また、地方自治体により支援額が異なる場合もあります。購入者の年齢や収入によって条件が異なっているので、必ず購入前に確認することが重要です。

まとめ

中古住宅を購入するメリットは決して少なくありません。中古住宅を購入すること、リフォームすることには以下のようなことを念頭においてください。

  1. 中古住宅は、「憧れのエリアに住める」「低コストで好きな家にできる」「無駄を省き環境にやさしい」というメリットを実現できる可能性がある
  2. 中古住宅を購入してリフォームするためには、間取り図や内覧で生活をイメージし、第三者の検査を受けてリフォームに耐えられる家かどうかを確認することが重要
  3. 【失敗例1】「リフォームやリノベーション後の家が寒かった」ケース。すでにリフォームないしはリノベーションされた家は見た目はよいが、見えない部分(断熱材)などのチェックができない
  4. 【失敗例2】「築浅なのに床板がきしむ」ケース。湿気の多いエリアで手入れのされていなかった家を買ったため、床下の湿度・土台や柱の劣化度に気づけなかった
  5. 【失敗例3】「大規模リフォームできない」ケース。気に入った土地・家であっても法的制限により大規模リフォームができない。2018年からは購入者が不利益を被ることがないよう、物件説明書の重要告知事項記載箇所で「マイナス面」も確認できるようになる
  6. 3,000万円の中古住宅を購入するために必要な諸経費は、手付金(売買価格の10%)、仲介手数料(最大でも売買価格の3%+消費税)、登記費用(約35万円)、固定資産税清算金(売主と買主間でやりとり)が必要
  7. 中古住宅購入やリフォームにも補助金が使えることもある。例として「良質な既存住宅の購入」「住宅のエコリフォーム」「すまい給付金」など
  8. 中古住宅を購入したときも確定申告が税の面でメリットをもたらすことが。条件によって住宅ローン減税やリフォーム減税を受けられることがある

 

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