欠陥住宅の相談をするには?相談に必要な手間とお金の問題

欠陥住宅の相談をするには?相談に必要な手間とお金の問題【専門家監修】 注文住宅

※この記事は「AREX建築計画事務所様」による専門家監修記事です

一戸建ての家を建てたい、もしくは建売住宅を購入したい方にとって、「欠陥住宅」という言葉は到底受け入れがたいものです。家やマンションなどの住まいを手に入れるということは、家族の生活をその住まいに預けることを意味しますし、最長で35年のローン支払いとも付き合っていかなければならないからです。

もしも「自分の家(マンション)が欠陥住宅かもしれない」と感じたら…。実際に欠陥住宅が疑われるケースと、それを解決するために何をすればよいのかをご説明します。

ここで本文に入る前に、マイホーム作りで最も重要なことをお伝えしておきましょう。

それは、“家づくりのパートナーとなる住宅メーカー選びです。

多くの人が資金計画や土地の購入、間取りやデザイン設計を先に始めてしまいます。そして重要なハウスメーカに関しては、知名度で選んだり、住宅展示場で即契約してしまったり・・・。

しかしこれ、実は大きな間違いです。

住宅メーカー選びを怠ると、最終段階になって予算を大幅にオーバーしたり、理想の間取りができなくなったりと、一生に一度のマイホームが後悔に染まってしまいます。

結果として大きな損をしてしまうということに。

つまり、住宅メーカー選びがあなたのマイホーム作りの鍵を握っているのです。

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それでは本文に入っていきましょう。

1.「欠陥住宅」が疑われる3つの特徴

欠陥住宅を取り上げたテレビ番組やニュースのコーナーをご覧になったことがあるでしょうか。家・マンションとトラブルは「切っても切れない縁」の側面があります。というのも、家・マンションは1棟1棟が基本的にオリジナルだからです。たとえ「工業化住宅」であったとしても、1棟ごとに間取りや採用される設備は異なりますし、実際に現場で施工作業を行う人たちのスキルも正直まちまちなのです。

では、実際に「欠陥住宅」とみなされた実例をご紹介します。

1-1.基礎部分の手抜き工事「家が傾いた」「壁にヒビが入った」

基礎部分の手抜き工事「家が傾いた」「壁にヒビが入った」

基礎部分の工事は、最終的に上に建つ建物にほとんど覆われてしまうため、施主の目に触れることはあまりありません。そのため、いわゆる「手抜き工事」がしやすい部分といえます。

今、帯状に家を支えるイメージの「布基礎」ではなく、全面で家を支える「ベタ基礎」が多く採用されています。ベタ基礎は、鉄筋やコンクリート、防湿シートを、家全体の足元に配する必要があります。裏を返せば、このベタ基礎は、手抜きがしやすい部分でもあります。鉄筋の数を減らしたり、防湿シートの施工処理が雑であったりしても、最終的にはコンクリートで一面均してしまえますので、「ばれにくい手抜き」をする業者もあるのです。

問題のない地盤であれば、傾斜などの問題は起きにくいものではあります。しかしながら、家の耐震性や耐久性を損なうこともある部分ですのできちんとした基礎はとても重要です。

1-2.軸組工法で筋交や補強金具を省く「地震に弱い」「強風で揺れる」

木造の家で多く採用される軸組工法(在来工法)においても、耐震基準が高まってくるにつれ、筋交や補強金物、耐力壁の使用が厳格に求められています。しかしながら一旦組み上げが終わり、外壁・内壁に覆われてしまえばそれらの存在は見えないものとなってしまいます。筋交や補強金物を省いてもわかりづらいことから、工事中のチェックも怠りなく行いたいものです。

地震や強風で家が揺れやすかったり、ときに家のねじれから壁にヒビが入るといったトラブルを起こすことがあり、これもまた欠陥住宅といわざるを得ません。

1-3.片持ち構造部の強度不足「ベランダが下がる」「亀裂が入る」

片持ち構造部の強度不足「ベランダが下がる」「亀裂が入る」

「片持ち」とは、「オーバーハング」「カンチ(キャンチ)レバー」とも呼ばれ、その名のとおり、建物から張り出した部分を指します。たとえば1階の片隅にガレージを設けるため2階部分を張り出して、その2階部分を居住空間にしている家を多く見かけます。また、2階のベランダを広くするため張り出し、玄関ポーチの庇を兼ねる建て方をしている家もあります。

1階は空間でありながら2階部分に何らかのスペースを設けたいときに十分な強度を保っていなければ、片持ちと建物の接合部分に亀裂が入ったり、傾きが発生することがあります。最悪の場合、ここから雨が入り込み、家全体が傷んでしまうこともあります。これを防ぐには、木造や鉄骨構造であれば片持ち梁の強度、鉄筋コンクリート造であれば鉄筋が不足していないかなどを充分に検討しなければなりません。

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2.欠陥住宅の場合には、返金や工事のやり直しをお願いできるの?過去の事例を挙げて解説

欠陥住宅の場合には、返金や工事のやり直しをお願いできるの?過去の事例を挙げて解説

建築に詳しくない人の目にも明らかに欠陥住宅と判断できた場合、悔しさや悲しさといった感情面の問題のみならず、現実に暮らしにくい家で過ごさなければならなくなります。このようなとき、施工業者や販売業者に何らかの手当てをしてもらえるのでしょうか。

2-1.事例1:埼玉県Aさんのケース

2006年に完成した木造2階建ての一戸建てに住み始めて2年、家中の柱や壁に割れや反りを確認したAさん。場所によっては最大4ミリもの亀裂が柱に生じてしまいました。最終的に建物内の壁も波を打ったように変形を見せ始めたため、全ての部屋の壁の解体と再施工を行わざるを得なくなりました。

住宅建築に使用する材料は日本農林規格(JAS)で定められたものでなければなりません。しかしながらJAS基準(木材の含水率が15~25%以下・使用部材により異なる)を満たさない未乾燥材が使用されていたことにより、収縮を起こし柱にひび割れや反りが生じていたのです。Aさんは第三者機関へ調査を依頼し、この事実を掴みました。結果、施工業者は非を認め、全面的な再施工を無償で行いました。

2-2.事例2:東京都Bさんのケース

2004年に完成したRC造(鉄筋コンクリート構造)地下1階・地上木造2階建ての家を建てたBさん。念願の地下室を手に入れました。完成後しばらくして、地下の床フローリングに水が上がってきたことに気づきました。「欠陥住宅かもしれない」と不安になったBさんは、すぐに第三者に確認してもらうことにしました。

コンクリートの打継部(既に硬化した状態のコンクリートの上に新たにコンクリートを打設した場所)には水が染み込みやすい性質があります。Bさん宅の地下室を囲むコンクリート打継部では防水処理が適切に行われなかったため、床に地下水が浸入したのです。家の耐久性が損なわれ、カビなどの発生により衛生面でも問題があったため、施工業者は欠陥対策工事を無償で行うこととなりました。仕上げ材の撤去、打継部防水処理、防カビ処理を行った後、仕上げ材までを復旧させました。

2-3.事例3:千葉県Cさんのケース

2008年に完成した大手ハウスメーカーの家に住み始めたCさん。その家の暮らしにも慣れ始めた1年半後に、2階のある部屋のクロスがひび割れ始めたのに気づきました。早速ハウスメーカーに連絡し、補修をしてもらいましたが、その後も他の場所に亀裂などが発生し始め不安を感じていたところで東日本大震災に見舞われました。基礎部分にも大きなひび割れが生じ、家そのものの傾斜も大きく進行しました。

地震前にもクロスの傷みや亀裂があったことで、Cさんは「単なる地震の被害ではないのでは」と第三者のチェックを要請。調査の結果、そもそも「軟弱な地盤であった場所に適切な基礎工事が行われなかったことが原因」とわかりました。

ハウスメーカー側は、家を建てる前のSWS試験(スウェーデン式サウンディング試験=地盤調査方法のひとつ)の結果を踏まえ、適切な基礎の設計・選択を行ったとし、これは地震による沈下であって、自社に問題はないとCさんの訴えに応えようとはしませんでした。

これを受け、Cさんは第三者の調査結果をもとに裁判を起こしました。そして、ハウスメーカーがSWS試験で自沈層(試験機器を回転させずとも、おもりを乗せただけで沈んでいくとても軟弱な地層)があるにもかかわらず、それに対応した適切な基礎の設計を怠ったと結論付けられました。地震以前から起こっていたひび割れもこれが原因であると認められ、不同沈下の修正工事費とその他の復旧工事費を支払うよう命じられたのです。

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3.欠陥住宅かどうか調査を依頼するまでの流れ

「我が家は欠陥住宅?」と感じたら、すぐに行動してください。専門的な調査以前にご自分でできることも少なくありません。毎日生活をしていると「慣れ」で気づかなくても、ちょっとしたチェックで判明することがあります。

3-1.グラスやペットボトルに入れた水をチェック

グラスやペットボトルに入れた水をチェック

ガラス製のコップ(グラス)か、ラベルをはがしたペットボトルを用意します。そこに水を入れて床に置くと、振動の度合いがわかります。テスト用にやさしく歩いてみてください。それでも水がひどく揺れるようなら、振動に弱い構造かもしれません。

3-2.水平器(レベル)を置いてみる

水平器(レベル)を置いてみる

床が正しい状態(水平)を保っているかどうかを知りたい方は、ホームセンターなどで売っている1,000円前後の水平器を購入するのもよいでしょう。もしも実際に専門家に調査依頼をすることになったときのため、事前に各部屋の随所で水平器を用いてチェックしておくのもよい方法です。ゴルフボールやビー玉を置いてそれが転がるかどうかといった簡易的なチェック法もあります。

3-3.部屋の隅を歩いてみる

常に人が移動するのは、部屋の中央部であることが多いはずです。もしも「動線」から外れている部屋の隅があれば、改めて床を踏んでみてください。テレビや家具を置いてある部分は一度それらを動かし、同じように踏んでください。床鳴り(ギシギシ・キーキー音)はしませんか。

木造の家は、木質建材の乾燥や収縮で軽い床鳴りがすることはありますが、あまりにも音がひどい時は施工不良も考えられます。特に「ギュッギュッ」という音がし、なおかつ床材がたわんでいるように感じられる場合は、専門家のチェックが必要でしょう。

3-4.外観のチェック

外観のチェック

家に住んでいる人にとって、「家」は室内から見るものかもしれません。しかしながら、施工不良から生じる傷みを知ることができるのが外観のチェックです。一戸建てでもマンションでも、建物全体をじっくりと確認すると、ひび割れ(クラック)を見つけることがあります。そのひび割れが建築に用いられた材料特性による自然なものなのか、それとも施工不良によるものなのかを見分けることは難しいものですが、常にチェックするようにしておけば異変に気づきやすくなります。

4.欠陥住宅が疑われる場合には、まずどこに相談したらいい?

欠陥住宅が疑われる場合には、まずどこに相談したらいい?

もしも上記のチェックで「欠陥住宅」と疑われるとき、やはり専門家のアドバイスを得たいところです。住む場所としても、住宅ローンの支払いというお金の面でも、一生付き合ってゆく家です。多少手間暇や費用がかかっても、必要なチェックを受けることが重要です。

4-1.請負業者・売主

家の不具合をまず告げなければならないのが契約当事者です。契約当事者とは、注文住宅のような請負契約の場合は請負業者(建設会社)、建売住宅やマンションのような売買契約の場合は売主(不動産業者)です。

4-2.NPO法人建築Gメンの会

建築士を中心に建築技術者、弁護士、消費者等が集い、「欠陥住宅をなくしたい」「欠陥住宅を購入してしまった方を助けたい」と2000年に発足したのが「建築Gメンの会」です。建った後の家だけでなく、契約時や工事中の施工チェックなど、家づくりの段階でも第三者的な視点からのアドバイスを得ることができます。建築全般に関する無料電話相談をボランティアで受け付け、その後、欠陥住宅や大規模リフォームに詳しい建築士に有料で相談・調査を依頼することができます。

また、一戸建てのみならず、マンションの定期点検や大規模改修時のチェック・アドバイスを得ることもできます。

▼建築Gメンの会▼

欠陥住宅問題に取り組む第三者検査NPO【建築Gメンの会】 - 欠陥住宅のトラブル解消や予防、住宅の第三者検査技術向上に向けて活動中。欠陥住宅や欠陥マンション等に関する相談や調査を受付けています。
欠陥住宅のトラブル解消や予防、住宅の第三者検査技術向上に向けて活動中。欠陥住宅や欠陥マンション等に関する相談や調査を受付けています。

4-3.ホームインスペクター

中古の住宅やマンションの流通を不安なく行えるよう、第三者的に家のチェックをするための資格制度があります。内閣府認証NPO法人日本ホームインスペクターズ協会から認められたホームインスペクター(住宅診断士)がそれです。建築士などの専門家がこの資格試験にパスすることで、客観的なチェックをすることが認められているのです。

このホームインスペクターは、中古物件の流通に関することだけでなく、欠陥住宅を見抜き、どこがどのように悪いのかを説明してくれます。また、必要に応じてホームインスペクションの結果を報告書にしてくれますので、施工者や売主との話し合いの際に活用することもできます。

4-4.法テラス

専門家の調査結果を受けてもなお、施工業者や売主が欠陥を認めてくれない場合、法的手段に訴えなければならないこともあるでしょう。そのような場合、建築問題に強い弁護士に裁判や和解への道筋をつけてもらわなければならないはずです。もちろん、自分自身で話を進められればよいのですが、時間や知識が必要ですので、専門家に任せるほうがスムーズでしょう。

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まとめ

「我が家は欠陥住宅ではないか」と思ったら以下のチェック・行動をしなければなりません。

  • 基礎部分の施工不良から家が傾いたり壁にヒビが入ることもある。基礎は手抜き工事をしやすい部分
  • 筋交や補強金具を省く手抜きで地震に弱く強風でも揺れる家になることがある。壁に覆われ目に見えなくなる部分なので注意
  • 片持ち構造部の強度不足に注意。ベランダが下がったり亀裂が入る可能性があり、そこから家が傷むことも
  • 【事例】適正な木材の使用を怠ったことから、柱の割れ・壁の波うちが生じ、施工業者が再施工を行った
  • 【事例】地下室のコンクリート打継部から地下水が浸入、耐久性やカビの問題が生じたため、施工業者が欠陥対策工事を行った
  • 【事例】クロスひび割れ―後の地震が原因と大手ハウスメーカーは取り合わなかったが、第三者機関の調査により、家が完成した時点での欠陥であったことが裁判で確定し工事費用を支払うよう命じられた
  • 欠陥住宅かを疑ったら―グラスの水・水平器・ゴルフボールで傾きをチェック、床が鳴っていないか、外観にひび割れはないかもチェック
  • 疑わしいときはまず請負業者や売主に不具合を告げる。対応してもらえなければ、専門の第三者機関へ相談し調査、その後法律の専門家に相談

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